その女の子が信じてくれたなら、ドロボウは空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに
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「ルパン三世 カリオストロの城」
点数:9点。満点はアレしかないので。本当なら、これも満点。
寸評:地沸き肉踊る冒険活劇。
「どっちに付く?」
「女~」
「だろうな」
今回の映画覚書は、ルパン三世から、最高傑作のレビューです。
前回にやった読書覚書で「カリオストロ伯爵夫人」を書いたのでね。いいタイミングだってんで、こいつも書いてしまいます。
ここんところ、屑映画しか見てなかったですからね。
さて、言わずと知れた、最高の映画の一つですね。
この映画、私が生まれたのと大体同じ時に公開された映画だと思います。随分と昔ですね。
そんな時代に(だから、こそかな?)これほどのクオリティの映画を作っていた宮崎駿さんは凄い人だったのです。
しかも、宮崎さんの初めての映画監督作だったというから驚き。
最近では、変に高尚な映画を作ろうとしすぎて、かえって下世話かつ面白くない物を作っていますけどね。
「さっすが昭和一桁。勤勉だこと」
この映画、何回見たのか分かりません。私にとって、ラピュタ、ナウシカ、カリオストロ。この3つは鼎の如く、心の中のベストとして屹立していますね。
好きすぎて、何を書けばいいのか分からないのは、以前のナウシカと同じですね。
だって、ノッケから凄まじい展開ですよ?
「平和だね~」
カーチェイスに巻き込まれる。
「次元、乗れ!!」
チャ~ラチャッチャッチャ
いや、このオープニングで持っていかれなかった人はいないでしょう。本当に上手い引き込み方です。
「大きくなりやがって・・・」
んで、可憐な少女クラリスのために、ルパンおじ様が孤軍奮闘、獅子奮迅、粉骨砕身の働きを見せると。
女の子のために、男が頑張るって内容。宮崎さんは好きですよね。
未来少年コナンもそうでしたし、ラピュタそうでした。紅の豚だってそうです。
「どなた?」
「泥棒です」
「泥棒さん?」
「忘れ物ですよ、お嬢さん」
「このためにわざわざ?伯爵に見つかれば、殺されるというのに。
何か私にお礼が出来ればいいのですが、今は囚われの身。
・・・これを」
「私の得物は、悪い魔女が高い塔のてっぺんに閉じ込めた宝物。
どうぞ、この泥棒めに盗まれてやってください」
「わたしを?」
「金庫に閉じ込められたダイヤを救い出し、女の子は綺麗な野に放してあげる。これ、みんな泥棒の仕事なんです」
「あなたは伯爵の力をご存じないのです。どうぞ、このままお帰りください」
「ああ、なんということだ。その娘は、悪い魔女の力は信じるのに、泥棒の力を信じようとはしなかった。
その娘は信じてくれたなら、泥棒は空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに!!」
そうです。このブログの説明文であるべきところに、その内容を考えるのが面倒であり、また書いてもありきたりなことになりそうであったが故に、このルパンの台詞を拝借したのです。
特に意味はありませんけどね。このセンテンスがすきなのです。
漢の心意気、これにあり!!って感じで。
「今はこれが精一杯」
このやり取り、大好きです。
本当に、宮崎さんてのはセリフのやり取りにセンスがあるんですよね。
ルパンの声優もクリカンではなく、当時は山田康夫さんでしたから。物凄く上手いんですよね。
おちゃらけながらも、格好いい。
クリカンのルパンは、山田康夫さんのルパンよりもIQが50くらい低い感じですね。
ドスも品もないし。
「あ、き~いちゃった~、きいちゃった。お宝目当ての結婚式。お宝目当ての伯爵の、言うことやること、すべて嘘。
女の子はとっても優しい、素敵な娘」
「おじ様?おじ様!!」
「は~い、オジサンはここですよ~。女の子が信じてくれたから、空だって飛べるさ。
オジサンがきっと盗み出してあげるから、待ってるんだよ~」
「はい・・・」
いいですねえ、こんなに頼もしく格好いいオジサン。
でも、これを見て、男と女で持つ感想が違うと思うんですよ。
女ならおそらく、こんな男が身近にいてくれたらなあって思うだけだという気がするんです。他力本願。
一方、男は、あまりの格好よさに、自分もこんな男になりたいと思うはずです。
根本的に、幸せは与えられるものだと考える者と、掴み取るものだと考える者と。
世の中は常に2種類の人間がいます。
それで、バランスは取れているわけですね。
あ、ルパンと関係なかったですね。
ってか、これだけの名作をレビューするのが間違っているんですけどね。ここまで出色のデキだと、
「格好いい」とか
「面白すぎる」とか
「素晴らしい」とか
そんな子供みたいな表現しか出来ないのです。
ほんとねえ、全編にわたっての優れたセリフのやり取りと、上手な音楽の使い方。
可憐で感情移入しやすい女の子と、ふざけながらもがんばっているルパンとその一味。
阿呆なんだけど、律儀な銭形。
どこか愛嬌のある悪役、伯爵一党。
この組み合わせは、見ていて飽きませんよ。
まさに王道。ドラクエ3みたいなもんです。
「次元様だとよ」
「可憐だ・・・」
「へ?」
いいですよね。脇役がちゃんと自分の役割をこなしているってのは小気味いいです。
「今宵の斬鉄剣は、一味違うぞ!!」
「おじ様・・・」
「よお、気が付いたか。見てみな。
ローマの遺跡をあんたのご先祖さんが受け継いだってわけだ。正に人類の遺産ってやつだ。
俺のポケットには大きすぎらあ」
いいですねえ。こういう、自嘲というか諦念というか、そんなセリフ。
所詮、自分は泥棒さ。こんなに美しいものをかっぱらう資格はないんだぜって感じで。
「行ってしまうの?」
「ん・・・うん。こわーいオジサンが一杯来たからね」
「私も連れて行って!まだ泥棒は出来ないけど、きっと覚えます。
私、私・・・一緒にいたい!!」
子供じみたことを一生懸命言う少女。心が洗われますね。
「馬鹿いうんじゃないよ。やっとお日様の下へ出られたんじゃないか。また暗闇の中へ逆戻りしたいのか?
そうだ!困ったことがあったらね、いつでもオジサンにいいな。地球の裏側からだってすーぐ飛んで来てやるから」
ここにカールが来て、そっちにクラリスが気を取られている間に、ルパンは消えようとするんですね。
これこそ、ハードボイルドですよ。
女の子が素敵だからこそ、泥棒は相応しくないんですよ。
「おじ様!!」
「またなー」
銭形登場。
「くそ~。一足遅かったか。ルパンめ!まんまと盗んでいきおった」
「いいえ、あの方は何も盗らなかったわ。私のために戦ってくださったのです」
「いいえ、奴はとんでもない物を盗んでいきましたぞ。
あなたの心です」
「・・・はい!!」
現実ではないからこそできる、この素敵な風景。
涙が出てきますよ。
そう。昔の宮崎さんが作った物語って、みんなこうだったんですよ。
現実ではないからこそ美しいエッセンスの結晶。
でも、それが現実に出来たらどんなにいいだろう。
そんなことを感じさせられたものです。
今の宮崎さんの映画は、あまりに単刀直入で、しかもメッセージばっかりに気をとられて、結局、物語の楽しさを忘れているように感じます。
「ルパン。また会える気がする・・・」
ルパン。自分が何者で、クラリスとの思い出を語らなかったわけですよ。
これこそ漢!!
カリオストロの城。私の中でベストの映画の一つです。
高校生以上の日本人にはいないとは思いますけど、もし見たことがない人がいらっしゃるのなら、是非見てください。
心が洗われ、元気になれる映画ですよ。
私も、元気がなくなったときに、これを見ています。
ほとんどセリフの羅列で終わってしまいましたね。
こういうのはレビューとは言いませんけども、愛しすぎたものを評価するなんて不可能なんですよ。
では。
点数:9点。満点はアレしかないので。本当なら、これも満点。
寸評:地沸き肉踊る冒険活劇。
「どっちに付く?」
「女~」
「だろうな」
今回の映画覚書は、ルパン三世から、最高傑作のレビューです。
前回にやった読書覚書で「カリオストロ伯爵夫人」を書いたのでね。いいタイミングだってんで、こいつも書いてしまいます。
ここんところ、屑映画しか見てなかったですからね。
さて、言わずと知れた、最高の映画の一つですね。
この映画、私が生まれたのと大体同じ時に公開された映画だと思います。随分と昔ですね。
そんな時代に(だから、こそかな?)これほどのクオリティの映画を作っていた宮崎駿さんは凄い人だったのです。
しかも、宮崎さんの初めての映画監督作だったというから驚き。
最近では、変に高尚な映画を作ろうとしすぎて、かえって下世話かつ面白くない物を作っていますけどね。
「さっすが昭和一桁。勤勉だこと」
この映画、何回見たのか分かりません。私にとって、ラピュタ、ナウシカ、カリオストロ。この3つは鼎の如く、心の中のベストとして屹立していますね。
好きすぎて、何を書けばいいのか分からないのは、以前のナウシカと同じですね。
だって、ノッケから凄まじい展開ですよ?
「平和だね~」
カーチェイスに巻き込まれる。
「次元、乗れ!!」
チャ~ラチャッチャッチャ
いや、このオープニングで持っていかれなかった人はいないでしょう。本当に上手い引き込み方です。
「大きくなりやがって・・・」
んで、可憐な少女クラリスのために、ルパンおじ様が孤軍奮闘、獅子奮迅、粉骨砕身の働きを見せると。
女の子のために、男が頑張るって内容。宮崎さんは好きですよね。
未来少年コナンもそうでしたし、ラピュタそうでした。紅の豚だってそうです。
「どなた?」
「泥棒です」
「泥棒さん?」
「忘れ物ですよ、お嬢さん」
「このためにわざわざ?伯爵に見つかれば、殺されるというのに。
何か私にお礼が出来ればいいのですが、今は囚われの身。
・・・これを」
「私の得物は、悪い魔女が高い塔のてっぺんに閉じ込めた宝物。
どうぞ、この泥棒めに盗まれてやってください」
「わたしを?」
「金庫に閉じ込められたダイヤを救い出し、女の子は綺麗な野に放してあげる。これ、みんな泥棒の仕事なんです」
「あなたは伯爵の力をご存じないのです。どうぞ、このままお帰りください」
「ああ、なんということだ。その娘は、悪い魔女の力は信じるのに、泥棒の力を信じようとはしなかった。
その娘は信じてくれたなら、泥棒は空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに!!」
そうです。このブログの説明文であるべきところに、その内容を考えるのが面倒であり、また書いてもありきたりなことになりそうであったが故に、このルパンの台詞を拝借したのです。
特に意味はありませんけどね。このセンテンスがすきなのです。
漢の心意気、これにあり!!って感じで。
「今はこれが精一杯」
このやり取り、大好きです。
本当に、宮崎さんてのはセリフのやり取りにセンスがあるんですよね。
ルパンの声優もクリカンではなく、当時は山田康夫さんでしたから。物凄く上手いんですよね。
おちゃらけながらも、格好いい。
クリカンのルパンは、山田康夫さんのルパンよりもIQが50くらい低い感じですね。
ドスも品もないし。
「あ、き~いちゃった~、きいちゃった。お宝目当ての結婚式。お宝目当ての伯爵の、言うことやること、すべて嘘。
女の子はとっても優しい、素敵な娘」
「おじ様?おじ様!!」
「は~い、オジサンはここですよ~。女の子が信じてくれたから、空だって飛べるさ。
オジサンがきっと盗み出してあげるから、待ってるんだよ~」
「はい・・・」
いいですねえ、こんなに頼もしく格好いいオジサン。
でも、これを見て、男と女で持つ感想が違うと思うんですよ。
女ならおそらく、こんな男が身近にいてくれたらなあって思うだけだという気がするんです。他力本願。
一方、男は、あまりの格好よさに、自分もこんな男になりたいと思うはずです。
根本的に、幸せは与えられるものだと考える者と、掴み取るものだと考える者と。
世の中は常に2種類の人間がいます。
それで、バランスは取れているわけですね。
あ、ルパンと関係なかったですね。
ってか、これだけの名作をレビューするのが間違っているんですけどね。ここまで出色のデキだと、
「格好いい」とか
「面白すぎる」とか
「素晴らしい」とか
そんな子供みたいな表現しか出来ないのです。
ほんとねえ、全編にわたっての優れたセリフのやり取りと、上手な音楽の使い方。
可憐で感情移入しやすい女の子と、ふざけながらもがんばっているルパンとその一味。
阿呆なんだけど、律儀な銭形。
どこか愛嬌のある悪役、伯爵一党。
この組み合わせは、見ていて飽きませんよ。
まさに王道。ドラクエ3みたいなもんです。
「次元様だとよ」
「可憐だ・・・」
「へ?」
いいですよね。脇役がちゃんと自分の役割をこなしているってのは小気味いいです。
「今宵の斬鉄剣は、一味違うぞ!!」
「おじ様・・・」
「よお、気が付いたか。見てみな。
ローマの遺跡をあんたのご先祖さんが受け継いだってわけだ。正に人類の遺産ってやつだ。
俺のポケットには大きすぎらあ」
いいですねえ。こういう、自嘲というか諦念というか、そんなセリフ。
所詮、自分は泥棒さ。こんなに美しいものをかっぱらう資格はないんだぜって感じで。
「行ってしまうの?」
「ん・・・うん。こわーいオジサンが一杯来たからね」
「私も連れて行って!まだ泥棒は出来ないけど、きっと覚えます。
私、私・・・一緒にいたい!!」
子供じみたことを一生懸命言う少女。心が洗われますね。
「馬鹿いうんじゃないよ。やっとお日様の下へ出られたんじゃないか。また暗闇の中へ逆戻りしたいのか?
そうだ!困ったことがあったらね、いつでもオジサンにいいな。地球の裏側からだってすーぐ飛んで来てやるから」
ここにカールが来て、そっちにクラリスが気を取られている間に、ルパンは消えようとするんですね。
これこそ、ハードボイルドですよ。
女の子が素敵だからこそ、泥棒は相応しくないんですよ。
「おじ様!!」
「またなー」
銭形登場。
「くそ~。一足遅かったか。ルパンめ!まんまと盗んでいきおった」
「いいえ、あの方は何も盗らなかったわ。私のために戦ってくださったのです」
「いいえ、奴はとんでもない物を盗んでいきましたぞ。
あなたの心です」
「・・・はい!!」
現実ではないからこそできる、この素敵な風景。
涙が出てきますよ。
そう。昔の宮崎さんが作った物語って、みんなこうだったんですよ。
現実ではないからこそ美しいエッセンスの結晶。
でも、それが現実に出来たらどんなにいいだろう。
そんなことを感じさせられたものです。
今の宮崎さんの映画は、あまりに単刀直入で、しかもメッセージばっかりに気をとられて、結局、物語の楽しさを忘れているように感じます。
「ルパン。また会える気がする・・・」
ルパン。自分が何者で、クラリスとの思い出を語らなかったわけですよ。
これこそ漢!!
カリオストロの城。私の中でベストの映画の一つです。
高校生以上の日本人にはいないとは思いますけど、もし見たことがない人がいらっしゃるのなら、是非見てください。
心が洗われ、元気になれる映画ですよ。
私も、元気がなくなったときに、これを見ています。
ほとんどセリフの羅列で終わってしまいましたね。
こういうのはレビューとは言いませんけども、愛しすぎたものを評価するなんて不可能なんですよ。
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