その女の子が信じてくれたなら、ドロボウは空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに
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テルスの発送通知が来ました!!
明日の午後には届きそうです。
あ~、待ち遠しい・・・。
「ニーベルンゲンの歌」
点数:7点
寸評:荘厳さと悲壮さがよく描かれている
さて、今回は久しぶりに読書覚書です。
前回っていつだっけ?まあ、いいや。
それだけキットに没頭していた・・・わけでもないんですけどね。セレナさんとかが重たかったってのは本当ですが、それ以上に、最近また映画を見だしていて。
模型を再開してからずっと映画すらも見ていなかった(普通のTV番組はまず見ない)のですが、やっぱり映画って面白えやと。
ん?なんか関係ない話を書いているな。いつものことですが。
まあ、そんな訳で、模型も本も映画もってわけには当然いかないわけで、本が疎かになってました。
疎かといっても、年間で言えば30~50冊くらい読むので(当然、再読も含む)充分すぎるとは思いますが。
なんか、出版関係の仕事をしている人は、月に200冊くらい読むらしいですよ?
ええ~!って気がしますが、実際には嘘で、200冊を熟読するのではなく、流れを追うためだけに会話文だけ読むとか、そんないい加減な読み方らしいです。
まあ、そうでしょうねえ。じゃなきゃ、気が狂いますよ。一日7冊なんて。
で、今回のお題。
「ニーベルンゲンの歌」
超有名ですよね?ご存知、ジーフリト(ジークフリート)とクリエムヒルト(クリームヒルト)が出てきて、ジーフリトは名剣バルムンクを片手に、クリエムヒルトはその美貌を武器に大活躍。
何だかんだでドッカーンって話です。
非常に痛快かつ鮮烈なお話です。
・・・嘘です。全然そんな話ではありません。
ゲーテ曰く。
「これはドイツ文学におけるイーリアスだ」
だそうです。完全に文学ですな。私の苦手な。
成立そのものはイーリアスよりも全然新しく、今から800年ほど前です。
え?超古いじゃんって?そうですね。こういうところが、洋の東西を問わず、大陸の根本的な凄さですね。
文明って物が、島国日本とでは根幹からして違うわけです。
ちなみに、イーリアスは2800年くらい前なんですけどね・・・。
その頃、日本てなにしてたっけ?
さて、ニーベルンゲンの歌です。
これ、前編と後編に分けて考えられるのが一般的なようです。
前編がジーフリトの活躍とクリエムヒルトの愛を勝ち取り、幸せな結婚をし、それがハゲネ(クリエムヒルトの兄=王の忠臣)に奪われ悲嘆にくれるところまで。
後編は、クリエムヒルトの復讐劇ですね。
あくまで昔の文学ですから、かなり修辞が鬱陶しいところがあります。何度も同じことを繰り返したりするのが多いです。
が、それを差し引いても、やはり歴史に残る名作と言ったところでしょう。
前半のジーフリトの冒険譚は、もう少し血湧き肉踊る内容にしてくれると尚良かったのですが、それでは文学性が削がれるからでしょうか?結構、アッサリ終わってしまいます。
しかし、ジーフリトの偉大さと、クリエムヒルトの兄であり王であるグンテルの駄目っぷりが良く描けています。
そして、前半の最後、ハゲネがグンテルをそそのかし、ジーフリト暗殺を目論むところなど、まさに糞野郎の面目躍如です。
金に目が眩んで、自分の恩人を殺す奴ですからね。グンテルは。
後半に入り、クリエムヒルトの凄まじい復讐劇が始まります。
ここが物語りのミソですから、あまり具体的なことは語らないようにしますが、それにしてもクリエムヒルトは徹底的に「女の権化」として描かれています。
甘えたり、泣き落としを狙ったり、感情だけで突き進んだり、果ては自分は外野にいて他人に危険を負わせたり。
う~ん。女です。まさに。
しかし、こういったところがキチンと描けているから名作なわけです。英雄叙事詩として分類されますが、英雄として描かれているのはジーフリトただ一人です。
それ以外の者は、欲と感情にまみれた生身の人間として描かれているのです。
それが人間の本性ですからね。
クリエムヒルトも、そうした描かれ方をしています。前半こそ貞節な淑女ですが、後半に入れば自分に傷を負わせた人間に贖罪をさせるために、どんなことをもする人間と化しています。
鬼女でしょう。これは。
地上で最も愛する男、ジーフリトを暗殺したハゲネを殺すため、ありとあらゆる画策をし、共犯であるグンテルだけならまだしも、まったく関係のない、というかハゲネやグンテルに反発をしクリエムヒルトを気遣ってくれた弟たちまでをも巻き込んだ復讐をするクリエムヒルト。
まさに人間ですね。怒りに駆られると、何にも見えなくなる。自分のすべてを正当化してしまう。
それがハゲネ以下の行いであることも気が付かない。
その復讐のため、一体何人の血が流れたのか。
その怨念が、結局・・・。
そして誰もいなくなった・・・。
アガサ・クリスティの本のタイトルですが、ニーベルンゲンの歌にこそ相応しい一言ですね。
後半は、私はハゲネとその一党(グンテルはいまいち存在感がなかった)に感情移入してました。
こいつら、男だと。やる、と。
クリエムヒルトの復讐は果たされるのか?
結末はどうなるのか?
それは読んだ人だけのお楽しみ。
文学史史上の傑作と言うだけあって、その最期は圧巻でした。アレは予想がつきませんでしたね。
まあ、必ずといっていいほど図書館にあるでしょうから、読んでみることをお勧めします。
突き抜けた面白さではありませんが、ジンワリと何かが来ます。
明日の午後には届きそうです。
あ~、待ち遠しい・・・。
「ニーベルンゲンの歌」
点数:7点
寸評:荘厳さと悲壮さがよく描かれている
さて、今回は久しぶりに読書覚書です。
前回っていつだっけ?まあ、いいや。
それだけキットに没頭していた・・・わけでもないんですけどね。セレナさんとかが重たかったってのは本当ですが、それ以上に、最近また映画を見だしていて。
模型を再開してからずっと映画すらも見ていなかった(普通のTV番組はまず見ない)のですが、やっぱり映画って面白えやと。
ん?なんか関係ない話を書いているな。いつものことですが。
まあ、そんな訳で、模型も本も映画もってわけには当然いかないわけで、本が疎かになってました。
疎かといっても、年間で言えば30~50冊くらい読むので(当然、再読も含む)充分すぎるとは思いますが。
なんか、出版関係の仕事をしている人は、月に200冊くらい読むらしいですよ?
ええ~!って気がしますが、実際には嘘で、200冊を熟読するのではなく、流れを追うためだけに会話文だけ読むとか、そんないい加減な読み方らしいです。
まあ、そうでしょうねえ。じゃなきゃ、気が狂いますよ。一日7冊なんて。
で、今回のお題。
「ニーベルンゲンの歌」
超有名ですよね?ご存知、ジーフリト(ジークフリート)とクリエムヒルト(クリームヒルト)が出てきて、ジーフリトは名剣バルムンクを片手に、クリエムヒルトはその美貌を武器に大活躍。
何だかんだでドッカーンって話です。
非常に痛快かつ鮮烈なお話です。
・・・嘘です。全然そんな話ではありません。
ゲーテ曰く。
「これはドイツ文学におけるイーリアスだ」
だそうです。完全に文学ですな。私の苦手な。
成立そのものはイーリアスよりも全然新しく、今から800年ほど前です。
え?超古いじゃんって?そうですね。こういうところが、洋の東西を問わず、大陸の根本的な凄さですね。
文明って物が、島国日本とでは根幹からして違うわけです。
ちなみに、イーリアスは2800年くらい前なんですけどね・・・。
その頃、日本てなにしてたっけ?
さて、ニーベルンゲンの歌です。
これ、前編と後編に分けて考えられるのが一般的なようです。
前編がジーフリトの活躍とクリエムヒルトの愛を勝ち取り、幸せな結婚をし、それがハゲネ(クリエムヒルトの兄=王の忠臣)に奪われ悲嘆にくれるところまで。
後編は、クリエムヒルトの復讐劇ですね。
あくまで昔の文学ですから、かなり修辞が鬱陶しいところがあります。何度も同じことを繰り返したりするのが多いです。
が、それを差し引いても、やはり歴史に残る名作と言ったところでしょう。
前半のジーフリトの冒険譚は、もう少し血湧き肉踊る内容にしてくれると尚良かったのですが、それでは文学性が削がれるからでしょうか?結構、アッサリ終わってしまいます。
しかし、ジーフリトの偉大さと、クリエムヒルトの兄であり王であるグンテルの駄目っぷりが良く描けています。
そして、前半の最後、ハゲネがグンテルをそそのかし、ジーフリト暗殺を目論むところなど、まさに糞野郎の面目躍如です。
金に目が眩んで、自分の恩人を殺す奴ですからね。グンテルは。
後半に入り、クリエムヒルトの凄まじい復讐劇が始まります。
ここが物語りのミソですから、あまり具体的なことは語らないようにしますが、それにしてもクリエムヒルトは徹底的に「女の権化」として描かれています。
甘えたり、泣き落としを狙ったり、感情だけで突き進んだり、果ては自分は外野にいて他人に危険を負わせたり。
う~ん。女です。まさに。
しかし、こういったところがキチンと描けているから名作なわけです。英雄叙事詩として分類されますが、英雄として描かれているのはジーフリトただ一人です。
それ以外の者は、欲と感情にまみれた生身の人間として描かれているのです。
それが人間の本性ですからね。
クリエムヒルトも、そうした描かれ方をしています。前半こそ貞節な淑女ですが、後半に入れば自分に傷を負わせた人間に贖罪をさせるために、どんなことをもする人間と化しています。
鬼女でしょう。これは。
地上で最も愛する男、ジーフリトを暗殺したハゲネを殺すため、ありとあらゆる画策をし、共犯であるグンテルだけならまだしも、まったく関係のない、というかハゲネやグンテルに反発をしクリエムヒルトを気遣ってくれた弟たちまでをも巻き込んだ復讐をするクリエムヒルト。
まさに人間ですね。怒りに駆られると、何にも見えなくなる。自分のすべてを正当化してしまう。
それがハゲネ以下の行いであることも気が付かない。
その復讐のため、一体何人の血が流れたのか。
その怨念が、結局・・・。
そして誰もいなくなった・・・。
アガサ・クリスティの本のタイトルですが、ニーベルンゲンの歌にこそ相応しい一言ですね。
後半は、私はハゲネとその一党(グンテルはいまいち存在感がなかった)に感情移入してました。
こいつら、男だと。やる、と。
クリエムヒルトの復讐は果たされるのか?
結末はどうなるのか?
それは読んだ人だけのお楽しみ。
文学史史上の傑作と言うだけあって、その最期は圧巻でした。アレは予想がつきませんでしたね。
まあ、必ずといっていいほど図書館にあるでしょうから、読んでみることをお勧めします。
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