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新章突入第一弾は、勿論アーマードコア。
そのACの中でどのキットを選ぶべきか?
決まっています。

私をしてACの魅力に気が付かせた、出会いのキット。これを作るべきでしょう。

そんな訳で、今日のミラージュ・セレナのお時間です。
私のAC第一弾です。コトブキヤさんのキットの第一弾でもあります。

セレナといえば、以前
こんなことを書いていました。
この時は随分と無知だったわけですが仕方ありませんな。
小学校の時以来、模型に関する私の知識は何にも更新されていなかったわけですから。
そして小学校の時に得られる模型の知識は、地元の玩具屋さんにおいてあるキットからのみです。
雑誌なんて存在も知りませんでしたし、今のようにネットで調査ができる時代でもありませんからね。

バンダイとタミヤ。あとはイマイとかハセガワくらいなもんですよ。見たことがある模型って。
コトブキヤなんて知りません。

が、何でもそうですが、固定観念に捉われずにいると、こういう出会いってのは必ずあるわけです。
新しい世界を見せてくれるものとの邂逅ってやつが。

ふと目をやると、そこに素晴らしいキットがあった。私は一瞬で心奪われ、作りたくて仕方なくなった。
それがアーマードコアシリーズ。
そして、ACの魅力を垣間見せてくれたのが、セレナなわけです。
今でも、サザビーっぽいって思ってたりします。もしかしてデザイナーは出渕さん?

そんな関係ですので、ACを始める時は、これを最初に作ろうと決めていました。
出会いが11月。そしてそこから9ヶ月の月日が流れ去り、ようやく辿り着きました。

前書が長くなったので、あとは本文に混ぜながら書いていきましょう。

まずはセレナの全景から。


全景

ランナー数
プラ:15枚
ポリ2枚
計17枚

パーツ数
プラ:314個(目のクリアパーツは選択式なので、実際に使うパーツは311)
ポリ:28個
計342個

かなりのボリュームです。普通にMGクラスです。
キットの大きさは15cm前後のACですが、そのパーツ分けはMGより遥かに徹底しています。
こういう点は、全塗装をする人向けに作られていることがよく分かります。

MGなどバンダイのキットは組み立てるだけで楽しめるように作られています。
なので、面倒な合わせ目消しがなるべくないように設計されているのです。
また、細かい部分はシールでの色分けとなっていますね。

翻って我がAC。塗装を前提に設計されているので、その過程にある合わせ目消しなど当たり前にやれという設計です。当然、シールなどありません。
その代わり、マスキングなどの塗装で面倒な作業を軽減するため、パーツ分割がここまでやるか!ってくらいに徹底しています。
よって、全塗装をする場合、かなり親切だと思います。

ま、ガンダム系の場合、デザイン自体がそれほど複雑なものはないので、そこまでパーツ分割に拘らなくても塗装が大変になるってわけでもないからなんですけどね。
ACは、ディテールや面構成が半端ではなく複雑ですから。
ユーザーのストレスフリーをどの次元で解決するかと考えた時、合わせ目消しという基本的なことではなく、塗装という一番模型の印象を左右するところを楽にしてくれたんだと思います。

つまり、漢のキットです。

組み立てるだけでは満足できない。
もっともっとこのキットで遊びたい。
拘りたい。
格好よくしたい。

最終的には、そういう人向けに作られているキットだと思います。

勿論、色分けもかなりなされているので、無塗装でも大いに見栄えします。
この辺、ちゃんとコトブキヤさんは分かってらっしゃる。
拘る人向けにやる以上に、ライトユーザー向けのセールスポイントを持っていた方が、模型としては正解なのです。
そういう意味で、ガンプラは成功しているのですから。

ランナー全景をパッと見れば分かると思いますが、ランナーの構成が脚なら脚、胸なら胸、腕なら腕。そういう風に作られています。
組み換えをうたい文句にしているキットですから、後々別売りとして出しやすい体裁にしたってことでしょうね。


宣伝

同梱されていた、宣伝冊子です。
現在、最も熱いプラキット、レイレナード・アリーヤのシルエットが載っていますね。
当時は2006/11月。ワンフェスでは試作品(原型?)が出ていたので、この頃は具体的な情報が出ていなかったってことでしょうか?
ま、この個体を買ったのが11月ってだけで、実際に卸されたのはもっと前だと思いますけど。
ガンプラ以外のキットって、いまいち発売年月日が分からないですから。

さて、組み立てる前に、ちょっとだけパーツの造形やディテールを見ていきましょう。


美しい曲線

美しい曲線です。現在のバンダイではまず見る事のできない表現です。
バンダイだってできる技術です。が、やりません。
なぜか?簡単です。開発に時間がかかるし、難しいから。
それゆえ、こういう難しいデザインをハナから弾いて、ガンダムデザインを作っていくから。

要するに、造形的観点からすると、つまらないことばかりしてきたってことですよね。
MGなどでは最近、後付けのディテールを山ほどいれて、それをMGの付加価値にしようとしていますけど、限界があります。
プロのデザイナーに、デザインの時点でやってもらうべきです。
素人がディテールなどを作るとこうなるってのは、既にMG・Hi-νで証明されているのですから。
ま、ガンダム00でもやはりメカメカしさは取り入れなかったので、これからも模型表現の難しいディテールは取り入れるつもりがないのでしょう。

他にも・・・


ワンパーツ成型

左側の大きなパーツ。胸です。
よくこんな複雑な形を抜いたなって思います。
どんだけ沢山の面と曲線が混じっているんだよと。
ACの胸はみんなこういった構造になっています。

バンダイの成型技術は世界一なんてよく聞きますけど、実際には他のメーカーの成型技術の方が勝っている場合もあります。
勿論、上に書いたように、実際にやっているか否かという意味であって、やろうと思えばできるか否かという意味ではありませんけどね。

まだまだあります。


ハイディテール

これ、1cm四方のパーツです。
それにこんな複雑な造形を施し、綺麗な曲線までも再現している。
インジェクション成型の限界ってなんだっけ?って感じです。
プロの原型師さんに原型を作ってもらってから、金型を作るという姿勢のメーカーだからこそできるクオリティですね。
CADのみでは決して出せません。


ハイモールド

真ん中らへんのシールド。丸い奴ですな。これもまたハイディテールです。段差ディテールと凹凸モールド。
ここまでワンパーツにディテールを入れるってのは、ガンプラではお目にかかれません。

さらに、


どうやって抜いた?

これ、どうやって抜いたのかちょっと不思議なんですよね。
真ん中の凸モールドの周りに、城の堀のように凹モールドがあって・・・。
インジェクションの限界に迫っていますなあ。


素晴らしい!!

この辺もそうですね。右側。
成型そのものはそれほど難しくないとは思うんですけど、わざわざこんな細かいものまで別パーツ化して、立体感を強調してくれるこだわりの模型メーカーって、沢山はありません。

あと、人によっては欠点にもなるかもしれない点。


手は握りのみ

手は基本的に握り手しか付いていません。
これ、確実な武器の保持のためなんですな。MGのような可動指にすると、たいして表情も付けられない上に、武器保持も怪しいという中途半端な物にしかなりません。
よって、確実な保持を追及したこの手は、私は大いに賛成です。
これプラス、自然な形で開いた手のパーツも付けてくれれば満点です。
指が動く必要なんてありませんから。

あとはこのキットの欠点を幾つか。


悪名高い・・・

悪名高いポリパーツです。
なんでも径差が微妙に合っておらず、ポリ♀が割れるとか。
これは困りますね。接着後に割れてしまったら、救済不可能ですから。

私も、組み立てながら微調整をしていこうと思います。

他。


ウェルドライン

見えますかね?ウェルドライン。AC特有の欠点です。
ACは塗装しなくても質感を出すために、プラの質感を金属に近づけようと金属粒子を混入して成型しているのですな。
なので、見た目の質感がなかなかよろしい。

が、その金属粒子のお陰で、ウェルドラインが圧倒的に増えています。
これは、ACシリーズを通しての欠点ですね。

ま、欠点といっても、気にならない人も多いでしょうし、整面も難しいものではありませんけども。
でも、気になる人には、かなり面倒な作業が増えますね。
ほとんどワンパーツごとに整面作業しなくてはなりませんから。

ちなみに上のパーツ。同ランナーで2枚入っているのですが、両方ともまったく同じ場所にウェルドラインが入っていました。
このことから、なんらかの解決策がある気がするんですよね。
溶けたプラを流し込む場所を変えるとか、流し込む箇所を増やしたり減らしたりしてみるとか。
ま、試行錯誤した結果のベストがこれなのかもしれませんけど。

さて、ザクっと紹介しただけなのに、かなりの枚数の画像を使ってしまいました。
でも、まだまだキットの魅力をお伝えできるわけもありません。

男同士の最も深い会話は「拳で語る」ことであるように(慶次談)、模型との最も深い会話は「作る」ことですからね。

さて、話は戻ります。
セレナと出会った時、そこで私は一つの大きな事実に気が付いたわけです。
「俺はガンダムを作りたいのではなく、格好いいメカを作りたいのだ」
根本的な転換の第一歩というべきでしょう。
何の違和感もなく、非ガンダムデザインを受け入れ、それを格好いいと思ってしまったわけです。

別にガンダムが好きだと自分でも思ってはいませんでしたけど(アニメもろくに知らないし)、そこらにあるガンダムデザインなんぞよりも遥かに私の琴線に触れるデザインが埋もれているのだと分かったのです。
約めて言えば、「ガンダムなんぞ、全体の一部にしか過ぎない」と気が付いたのです。
その前後してFSSやらとの出会いもあったのですが、それはまた別の機会に。

そんな訳で、いよいよ念願のアーマードコアの制作に入ります。
次回から仮組みフェイズに突入・・・といいたいところですが、旅行に行ってきます。
なので、組み立ては28日からになりそうです。

では。


~追記~

ちょっと間が開いてしまいましたが、私の通ってきた模型道の続きを書きます。

○リアル頭身に魅せられて・・・

最初に買ったリアル頭身の模型はなんだったか・・・。実ははっきりと憶えてません。
おそらくなんですが、1/144百式だと思います。
それもただの百式ではありません。

金メッキ仕様!!

最近調べてみたら、これって何かの限定バージョンだったらしいですね。
だからそれ以降に一回も会わなかったのですね。

ま、そんな訳で、初めてのリアル頭身のガンプラは金メッキ百式だったわけです。
ん~。これ、何かの縁でしょうかねえ?
考えてみれば、一年前に私が模型に復帰したのも、MG・百式だったわけですから。
しかも、今現在、もっともデザイン性という意味で好きなのがFSSのレッドミラージュなわけでして、それのデザイナーが永野さんです。百式と同じです。
永野さんと因縁があるんだろうか?

この時のインパクトがあまりにも強かったからでしょうか?いまだに百式は私の中で一番好きなMSの一つです。

初めて作ったリアル頭身のガンプラですが、ガンプラというものはZZの時代まで接着剤を使うものだったのですね。
なので、最近の誰にでも親切というわけにもいかないものでした。
ま、それほど難しくはなかったと思いますけどね。当時の子供はみんな作っていたわけですから。

そんな訳で、私も人生で初めて(かどうかはわからんけども)接着剤というものを使ったわけです。
あの当時、接着剤は模型に入っていたんですよ。小さいチューブで。
いまでは別売りを使うことが前提で、付属していることはないですけどね。
実際、付属している接着剤は使い勝手は良くないです。
チューブに入っているものですから、当然ジェル状のものです。子供には、ってか今の私でも、接着面に綺麗に塗ることすら困難ですよ。

で、組み立ての順番は顔が最後だったと思うのですが、百式って頭に細いアンテナがありますよね?あれを折ってしまいました。
かなり細いものですから、ハサミで、下手をすれば手でパーツを捥ぎ取るようなガキ時代の私ですから、折るのも当然です。
それ以外にも色々と難点がありましたね。私が悪いのだと思いますが、パーツ同士の合わせ目がちゃんとかみ合わず、隙間ができていたり。(合わせ目消しなぞ知りませんよ)
それ以外にも、チューブ入り接着剤を使っていたので、接着剤を付けすぎて食み出していたり・・・。

一言で言えば、「汚い」ということです。

ですが、完成したときの爽快感は替えがたいものがありましたねぇ。
今考えれば、かなり簡単なキットですよ、そりゃ。
でもね、小学生が、初めてのリアル頭身のキットで、初めて接着剤を使って作った模型ですからね。
その嬉しさは、模型を作った事のある人なら、誰でも想像がつくでしょう。

ま、そんな達成感からか、私は模型にはまっていった・・・わけでもないと思います。
子供ですから、作る楽しみなどまだわかりません。
それよりも「格好いいロボット」の立体が欲しかっただけです。当時、完成品なども出回り始めていた頃ですが、子供には高すぎましたからね。
買える範囲でのロボットの立体物は、組み立てキットしかなかったわけです。
つまり、もし買えたなら、完成品を買っていた可能性は高いわけです。

私の模型道の原点はこんなもんです。
理想も高尚さもあったものではなく、それしかなかったから。
ま、誰でもそんなものでしょうが。

そこから私は次々とガンプラを作っていくことになりますが、その話はまた。

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メカは浪漫。
セレナでしたか!
私は実はセレナとヴィクセンを持っていないのですよー。
なので完成体が楽しみであります。

漢のキット。いいですねえ、その響き。
アマゾンでは結構「細かくて結構しんどい」というレビューがあるのですが(確かにアリーヤは結構しんどかったですけど)、
でもガンプラと比べりゃそりゃ色々桁が違うわな、と思うわけでして。
構造物的なディティールのACの分割がすさまじいのはある意味で自然な方でしょう。

確かに、私も中学生頃はホントに完成の出来が悲惨でしたよー(笑)

因みにACのデザインは、ガイア~クレスト白兵戦等は河森正治さんです。
「マクロス」とか「創世のアクエリオン」の方です。
そしてアリーヤやテルスは違う方だそうです。
コスオルモス URL 2007/08/24(Fri)00:38:51 edit
Re:メカは浪漫。
セレナ。ブログにもしばらく買う予定はないって書いてましたね。

まあ、他と体型があまりにも違うので、組み換えはし辛いかもしれませんね。
今のところ、私は組み替えを考えずに、単体で作っていこうと思っています。
色がみんな同じだと、どうにも並べてみたときに面白くないので。

組み換えをするのなら、もう一個別のキットを買ってからってことになりそうです。
嗚呼、コトブキヤさんの罠に嵌っている・・・。
いいキットなので、それも楽しみではありますけど。

デザイナー。出渕さんではなかったんですか。良くご存知で。
なんで出渕ラインを感じたんでしょう?やっぱり、曲線かな。
しかもマクロスと同じデザイナーさんとは。
ん~、全然違うラインに見える。

凄いなあ。まったく違うラインを描いて、しかもそれが両方とも格好いいなんて。
細身でスタイリッシュなマクロスと、いつかコスオルモスさんが仰った上手い評言「デブで僧兵」っぽいセレナ。
僧兵は聞いた時、笑ってしまいました。言えてると。

組み立て自体は週明けになりそうですが、心がはやってます。
ああ、作りたい。弄りたい。
いいキットって、本当に楽しい一時を与えてくれますねえ。

まさに、メカ(キット)は浪漫。
【2007/08/24 01:45】
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