それこそが悪 2006/12/29 (Fri)

この間、あるサイトのある宣伝の一言に興味を持ちました。
「自己破産だけはやめてください。借金返済のカラクリ教えます」
はあ？なに本末転倒なことを言ってるんだ。
どうせ、どっかのサラ金業者だな。
よし、調べよう。そしてインプットしておこう。

業者の名は「@chashing」
やっぱりサラ金でした。
書いてある内容をコピペしてみました。以下がそれ。


みなさん、『自己破産』と聞いてどのような印象を持たれるでしょうか。
自己破産すると、借金がなくなるというメリットばかりが誇張されますが、実際、自己破産には、次のような事実があります。

・官報への記載 = 国の広報である官報に記載されますので、誰にも内緒では自己破産はできません。
・破産者名簿への記載 = 本籍地（市町村）の破産者名簿にも記載されます。
・自動車など資産価値のあるものは処分される = 極めて不自由な生活を強いられるケースがあります。
・当面、クレジットでの買い物が制限される = これも不自由です。奥さんなどにこれでばれてしまうケースもあります。
・連帯保証人がいれば、迷惑がかかる = 人間関係の歪みが生まれるケースが多々あります。


もう、無茶です。
メリットばかり誇張されていません。借金を背負ったままの人生と、ゼロからのスタートとの比較考量です。ちゃんと弁護士に聞けば教えてくれます。
というか、そう簡単に自己破産はできません。身勝手な自己破産を防ぐためのシステムはちゃんと存在します。

住民票や官報などに自己破産が記録されるのは本当のことですが、だから何なんですか？
誰が住民票を見るんですか？
勝手に見られるものじゃありませんよ？

差し押さえによって、極めて不自由な生活といいますが、そこまで追い詰められている以上、既に自由な生活ではないでしょう？

奥さんにばれる。ってか、そんな状態を、奥さんが知らないはずはないでしょう？
そもそも、クレジットカードなんて必要ないじゃないですか。
ちゃんとした教育がなされていないのでみんな知りませんが、カード自体、金融業者のためのシステムなんですよ。
自己破産にまで陥るケースのほとんどが、クレサラと言われますが、クレジットカードが原因なんですよ。金を使っている感覚がないから、どんどん使ってしまう。借金がかさむことになります。
そして、これこそが、カードを発行している大手銀行なりカード会社の目的なんです。
金を貸せば、儲かりますからね。

連帯保証人に迷惑。人間関係が悪化。そんな感情論で済まされないレベルまできているから、自己破産を考えるんでしょう？
むしろ、自己破産をした方が、保証人の被害は少ないです。

書いてある内容が、ほとんど感情論（理論ではなく）、しかもサラ金にとって都合のいい感情で書かれていて、胸が悪くなります。それこそ、「目ん玉売れ！！」の世界ですよ。
ここに書かれていること、95％は信じちゃダメです。いくらかの真実に大きな嘘を混ぜてますから。

今、日本には借金取りに悩まされ、家族バラバラで逃げる人が沢山います。
仕事をするには住民票が必要ですが、これを移すと現住所が借金取りにばれるので、結局住民票を必要としない危険な仕事をして糊口を凌いでいる人がいます。
こうして追い詰められていき、最後は金になるものなら何でも売ってしまって、自分の戸籍すら売ってしまいます。こうして、戸籍上存在しない日本人、いわば難民は何十万といるそうです。
そして、借金に悩まされた挙句、最後は自殺です。バブル崩壊後、毎年自殺者は増え続け、２万人を超えています。

私ならこう言います。
「自殺する前に、夜逃げする前に、自己破産という手段があることを思い出してください。弁護士に相談してください」