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点数:8点。悪いところもあるが、補って余りある痛快さ。
寸評:途中で、ルパンとルノルマンの関係が読めてしまった私は、哀しいミステリ読者だ。
813。ご存知でしょうか?知っている人ならピンとくる数字です。
ハチイチサンと読みます。
これ、アルセーヌ・ルパンの小説のひとつです。傑作といっていいでしょう。個人的には前回紹介した奇岩城の方が好きなんですけどね。
形式としては、813と続813の二編に分かれていて、繋がってはいますが、前編というべき813も一応の完結をしているところが特徴でしょうか。
ルパンシリーズのいいところとして、次々のお話が展開していくことですね。読んでいるものを飽きさせない。
会話も巧妙で、センスがあります。
が、同時に欠点として、細かいところがちゃんと説明されていないところがあります。
推理物ですから、このへんは謎解きして欲しかったんですけどね。
事件が起こって、その当時は神秘的な様相を呈していたのが、あとになってそれは偶然の要素が働いてそう見えただけとか。
こういうオチはちょっとと思ってしまいます。
あと、無駄が多いんですよね。著者、モーリス・ルブランが勢いで書いたのかな?ってところがかなりあります。
あまり推敲をしない人だったのでしょうか?
ま、これらの欠点を差し引いても、やはり面白いです。既に4回も読んでいますが、まだ飽きませんしね。
上に上げた要素。ホームズ物と真反対ですね。
コナン・ドイルは徹底的に推敲し、無駄を省いた絶妙のストーリーテリングでお話を進めていきます。変に盛り上げようともせず、淡々と。
曖昧なところなどありませんし。
なので、再読しても、いい加減に読み飛ばす箇所ってのがないんですな。
ルパンはとりあえず盛り上げとけ!みたいなところがあるので、結構飛ばすところがあります。
フランス人とイギリス人の違いでしょうか?
どっちがいいのか?
私はどっちも好きですね。
強いて言えば、少年時代はルパン。今ではホームズでしょうか。
いずれにせよ、時代を超えて愛されるミステリってのは数少ないわけです。
その中でもトップのこの二つが相反する内容だってのは面白いですな。
荒筋。
ある金持ちが殺された。謎の数字「813」と書かれたメモを残して。
その背後に影にちらつくルパンの影。ルパンが初めての殺人を犯したのか?
ルパンは、決して人殺しをしない。他に犯人がいるはずだと信じる名刑事ルノルマンは、捜査を開始する。
ルパンもこの刑事の方針に感謝するが、同時にライバルとして刑事と衝突することとなる。
そして、ルパンを陥れようとする謎の殺人鬼。
果たして813とは何を表すのか?
殺人犯の目的は?
そして、その正体とは?
ルパンは何を目論んでいるのか?
結末は如何に?
それは、読んだ人だけのお楽しみ。
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