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ローマ人の物語「終わりの始まり」

点数:6点
寸評:同時的に語れなかったのか・・・

prologue as epilogue ということですね。どこかで聞いた事のある言葉です。

今回のローマ人の物語は、まあまあでしたねえ。面白くないと言うわけではないですが、密度というか熱と言うか、そういうものがなかったです。

著者の史観により、「賢帝の世紀」にはアントニウス・ピウスまで。次巻のこれには、ローマ最高の時代と言われたマルクス・アウレリウス・アントニウスからローマ崩壊の兆しの時代と言われるセヴェルスまでを描いています。
つまり、マルクス・アウレリウスの時代が最高潮と言われているが、実は崩壊の予兆は彼の時代からあったのではないか?
そういう考えの下、描かれているわけですね。

先に欠点を書いてしまいましょうかね。
著者。昔からそうなんですが、句読点の使い方が変なんですよ。「、」の入れる場所がね。
変な場所に「、」が入っているので、頭の中でそこで切って読むと「?」になります。

あと分かり辛い語法を使うんですねえ。
「黒いコートを着、シルクハットを被り、気取った物腰の~という名前男は、実は警官だった」
みたいな語り口が多いんですよ。(文章は適当に書いただけ)
主語を思いっきり後にするので、前に並んだ形容詞が頭に入らないんですよね。

だったら、
「その男は~という名の警官で、~という風体だった」
みたいに書けば、凄くわかり易いんですよ。
どうにも、著者は決定的に文才がない気がします。

ただし、所謂「説明のための文章」としては、かなり高水準です。
文学的な表現がほとんどないため、流れが的確に掴めます。
要するに、パラグラフとしては分かりやすく、センテンスは分かり辛い箇所があるということですね。
なんか矛盾してますが。

形としての欠点はそんなところですね。この欠点は著者特有のものなので、彼女の本を読むときは逃れられないわけですけど。

また、同時的なことを書く場合、片方を書き終わってからもう片方を書くという方法が気になります。
これをされると、読者はどうしても同時的に把握できないので、分かり辛いです。

さて、内容は、マルクス・アウレリウスの治世から始まっているわけですが、どうにも資料が少ないせいか、密度感がありません。これはさっきも書きましたけどね。
実際、資料はほとんどないみたいです。
この皇帝は「哲人皇帝」と言われたのに、実際には戦争ばかりをせざるを得ない時代だったようです。
何よりも哲学を愛する男。哲学(認識一般ではなく学問としての)を言葉遊びだと考えている私は、そういう価値観が理解できません。
私はリアルな思考方法、実践論に価値を見出している人間なので、理論のための理論になってしまう哲学には、あまり愛着をもてません。

性善説なんて嘘の皮で、性悪説が正解に近いと、歴史が証明していますからね。
法律そのものが、性悪説から生まれたシステムなわけですから。
中国でいう諸子百家の時代に生まれた法家によってね。
法律のチカラが、秦という国を史上初の中国全土統一まで導いたわけですから。

マルクスの治世のほとんどを費やした戦争。パルティアからゲルマニア戦役まで。
これらの戦争が、どういう流れで行われたのか、ここの戦闘の繋がり。そういうものが、ほぼ資料として残っていないので、語りようもないらしいですが、なんとか頑張っていますね。

マルクスといえば、後漢に使者を送り、アントン(漢字忘れた)という名の皇帝として、後漢書にも残っています。
ま、当時のローマは、それくらいに凄まじい世界だったのです。
まさに、「ローマ世界」といえるでしょう。
地中海全域、西ヨーロッパ全域、東ヨーロッパの一部、アフリカの地中海沿岸地域、小アジアの西側。
これらを統べていた訳ですから、その領土がどれだけ大きいか分かります。

さらに凄まじいのは、この地域には四大文明のうち、2つまでも入っているということです。
つまり、様々な民族、宗教、価値観、風習。そういったものがあきれるくらいに混在する世界を、ローマは内包していたわけです。
それを考えれば、中国の統一国家など霞みます。

ローマは悪の帝国。そう断ずる人も多いですが、ちゃんと歴史を知り、世界観を把握すれば、むしろ現在の世界よりも遥かに優れた自由国家だったと分かる筈です。
人種や宗教などによる偏見や差別はなかったわけですからね。

大体、皇帝自身が、本国イタリアから出た者以外のほうが多いのです。スペインとかそういうところからの出身者がね。

さらに驚くべきは、日本人の価値観ではちょっと理解しがたいのですが、皇帝という存在は「独裁者」「専制君主」ではなく、ただの代表者なのですね。
市民が平気で皇帝に文句を言えるのです。それをちゃんと聞かないと、皇帝は皇帝たる資格がないと断じられるのです。
前巻に書かれているハドリアヌス。町を歩いていたら、ある女に呼び止められ、要望を聞いてくれるように言われます。
が、ハドリアヌスは忙しかったので(皇帝は常に多忙を極めます)、「また後にしてくれ」。そう言ったそうです。
すると、
「市民の要望を聞かないのならば、あなたには皇帝たる資格はない!!」
そう言われ、仕方なくハドリアヌスは引き返し、女の要望を聞いたそうです。

皇帝というと、東洋人の我々はいかめしい権力者を想像してしまいますが、ローマにおける皇帝とは、そういう存在です。
ローマ世界の全権を委ねられる人物ですが、その権力を放棄または自分のために使おうとするや否や、さっさと排除されます。

さらに、ローマでは皇帝の世襲というものが基本的にはありません。勿論、ローマが衰えてきた時代では世襲となっていますが、カエサルからマルクス・アウレリウスまでは世襲ではないのです。
これは、アジア圏に属する我々には、ちょっと分からない価値観ですけどね。血が正当性を証明するってのが、アジアの価値観ですから。

血ではなく、能力や人物としての資格によって、代表者を決定したのが、ローマなわけです。
だからこそ、中国の様に、漢の時代になって以降の進歩がなくなったりすることもないのですね。
血が正当性を証明し、それ以上がなく、しかも皇帝が独裁者という文明は、ある程度以上大きくはなれませんし、寿命も短くなるわけです。
こういう体制は、もって300年です。歴史が証明しています。

さて、マルクスが死んで以降は、悪帝として有名なコモドゥスが皇帝になります。マルクスの息子ですね。
コモドゥスといえば、映画「グラディエーター」で、徹底的に悪役として描かれていますが、あそこに書かれていることのほとんどすべてが「嘘・創作」であることが、読めば分かります。
最後すら、大嘘ですね。
剣闘試合で殺されることに映画ではなっていますが、実際には暗殺されているんですねえ。

そして、コモドゥスが死んで以降は、ローマは腐り始めます。
皇帝が出ては殺され、内乱が起こり、最後に勝ち残ったセヴェルスが皇帝として君臨します。

が、このセヴェルスこそが、オリエント、アジア的皇帝の端緒だったわけです。
つまり、皇帝という存在を独裁者にし、世襲制を取り入れ、ローマ世界のダイナミズムを失わせてしまったという・・・。

だからこそ、prologue as epilogue なわけです。
ローマ的価値観がなくなり始め、ダイナミズムも失われ、固定化した世界へと・・・。
こういう歴史を読んでいると、かならず落日に出会います。
そして、寂しくなるんですよね。
三国志なども、孫策の死で哀しくなり、曹操の死で決定的となり、劉備の死で救いがなくなり、孔明の死で終わりを迎えると。

要約すると、そんなことが書かれているわけですね。
やっぱり、歴史ってものは、最も面白い物語です。

最後に、文庫のタスキに書かれていたのですが、「2007年以降、文庫は毎年一巻づつでます」とありました。
つまり、この本は文庫で完結するまで、あと4年はかかるわけです。完結は2010年になるわけです。

はぁ・・・、なんだってさっさと出してくれないんだよ!!


~追記~

キター!!
クレスト・デルタ四脚。

http://www.amiami.com/shop/?vgForm=ProductInfo&sku=TOY-RBT-0071&template=review.html

大変結構ですな。

メカだ。マジでメカだ。馬鹿馬鹿しい位にやる気でメカだよ、母ちゃん!!
こんなもんが存在していたら、絶対に動かないし、動いてもとろくさいからいい的にしかならない筈だ!!

だが、そこがいい。
いいんだよ!面白ければ!!

キャラクターキットには、そういう開き直りが必要だ。

ホント、これってどういう風に歩くんだろうな?
こんなんだったら、タイヤかキャタピラで良いじゃん!!って突っ込みはご法度だぜ?模型野郎諸君。

うーん。作りたい。
仕方ないことですが、価格帯も現行プラス1000円ということで、4500円ですか。
これだけのボリュームがあれば、私は安いと感じますけどね。

最早、多くを語ることもあるまい。
これは漢のキットだ。
漢ならば、燃えるはずだ!!

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