その女の子が信じてくれたなら、ドロボウは空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに
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点数:5点
寸評:まとまりがあまりないが、好まれる要素が沢山入っている
さて、数年前に大ヒットした(?)邦画「always 三丁目の夕日」。数ヶ月前にTVで放送されていましたね。
それを録画してはや数ヶ月。漸く見たので、感想でも書いてみっかなと思います。
ざっと言ってしまえば、「描けていない」これに尽きるのではないでしょうか?
昭和30年代がもっとも自由な時代だったというのに、私も異存はありません。
その時代がもっとも分かり易かったと。
裏を返せば、混沌としていたってことなんですけどね。
今って、複雑になりすぎですから。ダイナミズムもなくなってしまったし。
不思議なことに、この時代に人となった世代は、ちょっと問題のある世代だと思うんですけどね。
戦後で大変だったとか、物がない時代に育ったから若者が羨ましいとか皮肉を言いますけど、この時代に苦労をされたのは、戦中派。それも戦後、既に大人となっていた人たちです。
戦後に物心がついた子供たちは、たいした苦労などしていません。
戦後の経済大国日本を作ったのは自分達だと戦後派は思っているわけですが、実際には戦中派の人たちが全部してくれたのです。
それを一丁前に・・・。
バブル崩壊によって、日本という国をカオスにおとしめたのは、間違いなくこの世代、戦後から団塊の世代なんですけどね。
ま、この辺は関係ないので置いといて、映画の話です。
この映画、様々な人たちが登場します。その時代を反映した生活をしています。
初っ端出てくる少女。金の卵と言われ、集団就職のために上京してきた人たちですね。私の知り合いでも、一人そういったオジサンがいます。
このオジサンの人生は羨ましいです。色んな職を転々としていますからね。
今では考えられないことですよ。
一回就職したら、そう簡単には辞められない。転職してばっかりいると信用してもらえないし。
キャリアもクソもなく、やりたいことができた時代ですね。
そういった自由奔放な時代に生きた人たちが老人となりつつある現在、若者が若者らしく生きられない社会を作ることに勤しんでいるのだから面白いです。
「ニート」だのという下らない差別用語を平然と作り、それを常用する。
定職につかないと駄目だなんていうけど、現在の企業の重役達の経歴を見てください。
今の会社に就職したのが20代後半から30台前半だったりする人、多いです。
それまで、お前は何をやっていた!!!
こういう人が、レールに乗っていない人を否定するのだから、やっぱり世の中不思議です。
他人の言動に、自分の行動を左右されてはいけないっていう、いい見本ですね。
また脱線しました。
ま、集団就職などといった時代背景を使い、それぞれの人生を上手に切り出してはいるのですけど、どうもねえ・・・。
何人かの中心人物を描き、楽しいことばかりではなく、それぞれの人生における地獄を描いているのにも好感が持てます。
お医者さんの家族の死。
ストリップ小屋から抜け出し、また戻らざるを得なくなった飲み屋のネーチャン。
15歳という、ほんの子供なのに、家族と別れなくてはならなくなった少女。
手放しでいい時代だったなんて言わず、この時代には相応の問題があったんだぜ?ってちゃんと言っているのいいと思います。
ただ、核となる文学と親無し子の絆。これはないだろうと思うのですよ。
普遍的な人情の有り様として、簡単に子供をあっちこっちにやって、しかも簡単に養って仲良くなって本当の家族になりましたとさ。なんて、無理ですよ。
子供が赤ん坊ならともかく。
最後に出てきた本当の父親。金持ちで、同時に横柄で。そんな子供だましの描き方で、文学と少年の絆が大事だなんて思えませんて。
このあたりは全然感情移入できませんでした。
もっと言えば、中心となる何人かの人生を、あまりにもバッサリと切り出しているので、その心のありようが見えてこないのですよ。
いや、見えては来るのですが、それがあまりにも簡単すぎて、人間てそんなもんじゃねえだろう?っていいたくなる部分が沢山あるのです。
惜しかったなってのが、正直な感想です。
今までの経験上、傑作小説を映画にすると「物足りない感」を感じたものですが、それに近いです。
小説にして、ちゃんと描けば、かなりいい物語になるとは思うのですけどね。
この映画でいいなあと思ったのは、薬師丸ひろ子。
いつも優しく、笑顔を絶やさず、子供や旦那に愛情を注ぐ。そして、いつも回りのバランスを見ていて、それとなく道を指し示してくれる、そんな女性。いいですね。
ま、見たことがほとんどない、イメージのなかの女性だからこそ、いいと思うのでしょうけど。
本当は、ここにこの映画の欠点すべてが集約されているのですけどね。
すべてがイメージで描かれていて、リアリティを感じない。
この映画の監督。おそらく昭和30年代に生きた人ではないんじゃないでしょうか?知りませんけど。
こち亀。ご存知。こちら葛飾区亀有公園前派出所。この作者、秋元おさむさんは、まさにこの時代を生きた人だったのですね。
なので、彼がたま~にかく人情物は、ほんとに泣けてくるのですね。ストーリーテリングの能力にも違いがあるのかもしれませんけど。
限られた時間、ページ。そういったもので人の人生を描くのなら、もっと上手く切り出さないと駄目ってことでしょうか。
ペリー来航があった日に、丁稚奉公している青年がなぜ涙を流したのか?それを書くのが小説家の仕事だ。
そんなことをある人が言ってましたけど、それができてないから、いまいちなのかも。
この映画でペリー来航といえば、集団就職であったりTVであったり冷蔵庫であったり東京タワーであったりですな。
そういう時代背景に捉われて、その時代に生きた人を上手く描ききれなかった。
実に勿体ない凡作です。
ま、見ても時間の無駄にはならないと思います。
そこそこは楽しめますしね。
寸評:まとまりがあまりないが、好まれる要素が沢山入っている
さて、数年前に大ヒットした(?)邦画「always 三丁目の夕日」。数ヶ月前にTVで放送されていましたね。
それを録画してはや数ヶ月。漸く見たので、感想でも書いてみっかなと思います。
ざっと言ってしまえば、「描けていない」これに尽きるのではないでしょうか?
昭和30年代がもっとも自由な時代だったというのに、私も異存はありません。
その時代がもっとも分かり易かったと。
裏を返せば、混沌としていたってことなんですけどね。
今って、複雑になりすぎですから。ダイナミズムもなくなってしまったし。
不思議なことに、この時代に人となった世代は、ちょっと問題のある世代だと思うんですけどね。
戦後で大変だったとか、物がない時代に育ったから若者が羨ましいとか皮肉を言いますけど、この時代に苦労をされたのは、戦中派。それも戦後、既に大人となっていた人たちです。
戦後に物心がついた子供たちは、たいした苦労などしていません。
戦後の経済大国日本を作ったのは自分達だと戦後派は思っているわけですが、実際には戦中派の人たちが全部してくれたのです。
それを一丁前に・・・。
バブル崩壊によって、日本という国をカオスにおとしめたのは、間違いなくこの世代、戦後から団塊の世代なんですけどね。
ま、この辺は関係ないので置いといて、映画の話です。
この映画、様々な人たちが登場します。その時代を反映した生活をしています。
初っ端出てくる少女。金の卵と言われ、集団就職のために上京してきた人たちですね。私の知り合いでも、一人そういったオジサンがいます。
このオジサンの人生は羨ましいです。色んな職を転々としていますからね。
今では考えられないことですよ。
一回就職したら、そう簡単には辞められない。転職してばっかりいると信用してもらえないし。
キャリアもクソもなく、やりたいことができた時代ですね。
そういった自由奔放な時代に生きた人たちが老人となりつつある現在、若者が若者らしく生きられない社会を作ることに勤しんでいるのだから面白いです。
「ニート」だのという下らない差別用語を平然と作り、それを常用する。
定職につかないと駄目だなんていうけど、現在の企業の重役達の経歴を見てください。
今の会社に就職したのが20代後半から30台前半だったりする人、多いです。
それまで、お前は何をやっていた!!!
こういう人が、レールに乗っていない人を否定するのだから、やっぱり世の中不思議です。
他人の言動に、自分の行動を左右されてはいけないっていう、いい見本ですね。
また脱線しました。
ま、集団就職などといった時代背景を使い、それぞれの人生を上手に切り出してはいるのですけど、どうもねえ・・・。
何人かの中心人物を描き、楽しいことばかりではなく、それぞれの人生における地獄を描いているのにも好感が持てます。
お医者さんの家族の死。
ストリップ小屋から抜け出し、また戻らざるを得なくなった飲み屋のネーチャン。
15歳という、ほんの子供なのに、家族と別れなくてはならなくなった少女。
手放しでいい時代だったなんて言わず、この時代には相応の問題があったんだぜ?ってちゃんと言っているのいいと思います。
ただ、核となる文学と親無し子の絆。これはないだろうと思うのですよ。
普遍的な人情の有り様として、簡単に子供をあっちこっちにやって、しかも簡単に養って仲良くなって本当の家族になりましたとさ。なんて、無理ですよ。
子供が赤ん坊ならともかく。
最後に出てきた本当の父親。金持ちで、同時に横柄で。そんな子供だましの描き方で、文学と少年の絆が大事だなんて思えませんて。
このあたりは全然感情移入できませんでした。
もっと言えば、中心となる何人かの人生を、あまりにもバッサリと切り出しているので、その心のありようが見えてこないのですよ。
いや、見えては来るのですが、それがあまりにも簡単すぎて、人間てそんなもんじゃねえだろう?っていいたくなる部分が沢山あるのです。
惜しかったなってのが、正直な感想です。
今までの経験上、傑作小説を映画にすると「物足りない感」を感じたものですが、それに近いです。
小説にして、ちゃんと描けば、かなりいい物語になるとは思うのですけどね。
この映画でいいなあと思ったのは、薬師丸ひろ子。
いつも優しく、笑顔を絶やさず、子供や旦那に愛情を注ぐ。そして、いつも回りのバランスを見ていて、それとなく道を指し示してくれる、そんな女性。いいですね。
ま、見たことがほとんどない、イメージのなかの女性だからこそ、いいと思うのでしょうけど。
本当は、ここにこの映画の欠点すべてが集約されているのですけどね。
すべてがイメージで描かれていて、リアリティを感じない。
この映画の監督。おそらく昭和30年代に生きた人ではないんじゃないでしょうか?知りませんけど。
こち亀。ご存知。こちら葛飾区亀有公園前派出所。この作者、秋元おさむさんは、まさにこの時代を生きた人だったのですね。
なので、彼がたま~にかく人情物は、ほんとに泣けてくるのですね。ストーリーテリングの能力にも違いがあるのかもしれませんけど。
限られた時間、ページ。そういったもので人の人生を描くのなら、もっと上手く切り出さないと駄目ってことでしょうか。
ペリー来航があった日に、丁稚奉公している青年がなぜ涙を流したのか?それを書くのが小説家の仕事だ。
そんなことをある人が言ってましたけど、それができてないから、いまいちなのかも。
この映画でペリー来航といえば、集団就職であったりTVであったり冷蔵庫であったり東京タワーであったりですな。
そういう時代背景に捉われて、その時代に生きた人を上手く描ききれなかった。
実に勿体ない凡作です。
ま、見ても時間の無駄にはならないと思います。
そこそこは楽しめますしね。
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