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点数:9点。やっぱ、満点はアレしかないので
寸評:凄まじい傑作。これを同等かそれ以上をいけるのはあれしかない。
まずはこれをお聞きください。
http://www.mocovideo.jp/movie_detail.php?MODE=WIN&KEY=8EWUumZCjmo
その者。青き衣を纏いて、金色の野に降り立つべし
失われし台地との絆を結び
ついに人々を青き清浄の地へと導かん
これを見たのは小学校4年生の時でした。
衝撃的でした。2時間。映像に釘付けでした。身じろぎもせずに。
それから、20年。いまだ、これを越える映画にはであっていません。
宮崎駿って、ほんと20年前は凄い人だったんですよ。今は普通のアニメーターになってしまいましたがね。
一体、何回見たことか。200回くらいかな。
ええ、大体セリフを覚えてますよ。
ナウシカと聞くと、私は遠い目になってしまいます。
というのも、あまりにも素晴らしい名場面が連なっているからです。
まず、導入部。
美しいタペストリーとアニメで、なにやら伝説めいたお話を、なんとなく見ている側に理解させてしまうのは、凄まじい手腕です。宮崎君。
そして、空を飛ぶナウシカ。
ゴーストタウンでボロボロになった人形を握り、「また一つ村が死んだ・・・」とユパ。
素晴らしい導入です。ここだけで、釘付けになってしまいますよね。
「積荷を・・・積荷を燃やして」
「積荷ね。分かった。大丈夫。みんな燃えたわ」
「みんな、待って。お願い。もう誰も殺したくないの。大婆さまも分かって・・・」
「姫姉さま、可哀相・・・」
「わたしは大丈夫。すぐに帰ってくるわ」
「ホント?」
「あら、わたしは嘘をついたこと、あった?」
「ない・・・」
「ね?」
「ナウシカ。泣いてるの?」
「うん。嬉しいの・・・」
子供には、この心理は分からないでしょうなあ。ほんと、この映画は見れば見るほど理解度は深まっていき、コクが出てきます。
特に終盤です。飛行艇に捉われていたナウシカを、アスベルと女たちが救い出したあと。
「ごめんなさい。私たちのしたことがみんな間違いでした」
「あなたは?」
「ラステルの母です」
「お母様・・・」
「ナウシカ、急げ!!」
「みなさん、ありがとう!!」
ここからですよ。もうね、滂沱の涙です。今、これを書きながら、私は・・・わたしは・・・。
「雲よ!!雲に押し付けて乗り移るつもりだわ!!お母様やみんなを残しては行けない!!」
「行け、ナウシカ!!」
「アスベル!!」
ここですよ。もうね。駄目です。私。平常心ではいられません。
何を書けばいいのか、何を書いているのか、分かりません。
モニターが滲んでいます。
音楽がとにかく素晴らしい。宮崎の影に隠れていますが、宮崎アニメになくてはならない人、久石譲。この人の音楽は本当に素晴らしいです。
映画がこのクオリティになったのは、半分はこの人の功績ですよ。
雲から浮かび上がり、地獄と化した飛行艇を見つめ、潤むナウシカ。
奥歯を噛み締め、メーベを加速させる・・・。
「姫様~!!」
「ミト!」
「ユパ様、みんなが、みんなが!!」
「無茶じゃ、姫様。エンジンが爆発しちまう!!」
「谷まで持てばいい。300まで上げて!!」
(神様。風の神様。どうかみんなを守って・・・)
どうしてナウシカは、ここまで強くなれるのでしょうか?
「よく引き付けてから撃て」
「あの人は敵じゃないよ。何か叫んでいた」
「邪魔する奴はみんな敵だ。撃て!!」
「嫌だ!!」
両手を広げて、正面から突っ込むナウシカ。
「ラステルさん・・・」
もうね、このシーンで泣かなかった人は、この銀河にはいないと思います。
何百回見ても、私はこのシーンで呼吸を忘れます。
どうしてここまで優しく慣れるのでしょうか、ナウシカは?
「私たちを運びなさい。王蟲の群れの前に降ろすだけでいい」
王蟲の前に降り立つナウシカ。
「姫様、あんなところに・・・」
ここまで胡散臭くなく、鬱陶しくなく、清廉で、説得力のある究極の自己犠牲を体現したシーンがあったでしょうか?
本当に美しい人の心ってのを信じさせてくれるシーンです。
凄まじいまでの意志力。何がなんでも、谷の人を救ってみせる。ナウシカとは一体。
父親が殺されても、けっして自分に同情せず、人のために命すら投げ出せる人。
アニメの世界ですが、これほどの説得力があるシーンは、他に思いつきません。
命絶えたナウシカを高く掲げる王蟲。
気が付き、テトを撫でるナウシカ。
「ありがとう。王蟲。ありがとう」
「その者。青き衣を纏いて~。伝説は本当じゃった」
谷のみんなと抱き合うナウシカ。
こんなに気持ちのいいエンディングは、例を見ませんな。
完璧です。
ナウシカが落ちた腐海の底。そこに忘れてきたマスク。
その側に、新たな木の芽が・・・
おわり
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