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今、というか、記事がアップされるときには昨日になりますが、ジャパンカップに行って、ディープの勝利に祝杯を上げ、ほろ酔い加減のまま、この文章を書いている私がいます。
JC。馬券は割と簡単でした。今回は、ですけどね。
今回は消せる馬がかなり多くて、最終的に残っていたのが4頭。あとは、それがらみで馬券を買えばいいわけで、私のような胡乱な競馬ファンは、別に馬券でもうけようとも思っていないので、オッズとか考えるのが面倒臭くて各々2千円づつ買って、計1万2千円の出費。
難なく的中。戻ってきたのが1万5千円。散々体力を使い、リスクを冒してプラス3千円という、はした金でした。
こういうのを阿呆というのです。
が、とても楽しかったです。
計算してみると、その後の飲みでプラスを使い果たし、今日の収支はマイナス2千円くらいでしたが、一日遊んで、こんなにいい思いをして、たった2千円かと。
むしろ、私はそこを強調したいですね。
今日のレースは、ある意味試金石でした。勿論、ディープの。
ディープインパクト神話が、凱旋門で崩されたわけです。いままでエリート中のエリートだったディープが、果たしてどうするか。
問題はそこだったのです。
ま、こんなこと、競馬をやっていない人、やっていても競馬は馬券だというひとには分からない話ですが、私の様に、ヒーローを目撃するために競馬を見ている人には分かっていただけると思います。
競馬場で勝った瞬間を見たときは、「やっぱりディープはつえーんだ。糞喰らえロンシャン」と思いました。
彼は最強なんだよと。
が、違うのではないか。
家に帰ってきて、ビデオを見たとき思いました。
どう説明すればいいか、非常に難しいのです。何事も形而上のお話にしたがるのは阿呆の癖です。
これ、大嫌いです。なので、なるべく論理的にまとめようとするのですが、これが難しい。
最後の直線。ビデオを見ていて、なにか、今までにない必死さをディープに感じたのです。
鼻歌交じりで勝つのではなく。どうだといわんばかりの圧勝を見せ付けるのではなく。
「負けられない。負けられないなら、勝たなければならない。だから俺は勝つ」
そんな孤独なものを。
往年の競馬ファンにはこういえば分かってもらえるかもしれません。
オグリのJCを見ているみたいだった、と。
直線を見ていて、「もういい。よくやったよ。もう、それ以上頑張るなよ」。そう思ってしまったのは、オグリ以来でした。
結果的に、華やかな勝者として、歓声を浴びることができましたが、その裏でディープは何を考えていたのか。一見目立つ勝利そのものは、実はどうでもいい部分だったのではないのか?
感情を言葉にすることで一般化すると何か違うわけですが、私は、少し泣きたくなるような情景でした。
有馬で彼は、ラストランを迎える予定です。
2年間、私の心を躍らせてくれた唯一の馬です。
でも、今から1ヵ月後のこのレースの当日。私は、今までの様に「勝ってくれ。お前は勝たなくてはならない存在なんだ」とはいえない気がします。
何事によらず、形而上的な物言いは大嫌いです。
形而上的な物事を形而上的に語るのはいいのですが、そういうことではなく、サッカーの試合の前に馬鹿が口にする「気持ちで負けないように」とか、そういった身勝手な、ある意味ただの思い込み、自己正当化を語ることが嫌いなのです。
が、今回のJCで、彼の走りを見ていて感じたことを何とか言葉にしようとすると、どうしてもこうなるのは、私が馬鹿だからでしょう。
ただの主観ですから。ほとんどの人は、こうは感じないでしょう。
祝杯を上げ、家に帰った直後に雨が降り始めました。
レース中から、雨が降りそうでしたが、家に帰るまで、なんとか持ってくれました。
その雨音を聞きながら思うのです。
ディープをエリートだと思っていたのは間違っていた。
生まれながらに与えられた能力、才能で勝っていると思っていたのは間違っていた。
美しく勝てる奴だと思っていたのは間違っていた。
彼は、紛れもなくファイターだった。
誰よりも戦った奴なのだと。
ある人がいいました。
「競馬が人生の比喩なのではない。人生が競馬の比喩なのだ」
この言葉に何を感じるかは、人それぞれです。
それでいいのです。
ただ、私は、ディープのJCをビデオで見ていて、この言葉を思い出しただけです。
特に意味はありません。
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