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旅行から帰ってきてはいるのですが、その疲労があまりにも激しいため、キットを作っている余裕がありません。
なので、ここは疲労回復を第一として、作成はおやすみです。
明日から頑張ると思います。

しっかし、スト爺さん。いつになったら完成するのでしょうね?
年末年始で中断。旅行で中断。開始からすでに20日過ぎているのですが。
こいつが終わった後、色々と計画しているので、サクサクと終わらせたいんですけどね。

さて、キットを作っているとき、皆さんはどこに一番楽しさを感じるでしょうか?
工程としては、

1:説明書熟読
2:組み立て開始
3:仮組み終了
4:改修、改造
5:合わせ目消し
6:表面処理
7:塗装
8:墨入れ
9:完成

となるのでしょう。
私の様に面倒臭がりな人間は、精々合わせ目消しだけして4~7すっ飛ばして、「部分塗装→墨入れ」でお仕舞いにしてしまいますが。

どれが一番楽しいのでしょうね?
完成したときが一番楽しいってのは当たり前なので、勿論そこを除いてです。
仮組みしている時って答えが多そうですね。私も好きです。立体になっていく様が。

しかしです。変な話ですが、私、取説を読んでいる時が一番楽しいのです。
正確に言えば、読んでいるというより、読み比べている時というべきですね。

なんでそんなことが一番楽しいのか?

今まで作ったキットの構造と、次ぎに作るキットの構造を比較しているとすんごく楽しいのです。
例えば、今作っているストライクガンダムさんと、前回作ったクロスボーンガンダムさんの比較をしてみましょう。

肩関節。両方とも、同じ引き出し式になっていますね。しかし、違いがあるのです
スト爺さんは胸が♀に、クロボンさんは腕が♀になっているのです。
引き出す構造も、スト爺さんは♀を上下から挟み込んで回転軸を仕込んでいるのに対して、クロボンさんはそのスペースが無いため(小さいから)、固定軸を作るためと回転軸を追加するため、もう一つ棒を胸に接続し、それに♂を差し込む形になっています。軸を胸の外に出しているお陰で、クロボンさんは半分くらいのサイズのくせに、可動範囲はスト爺さんより広いです。
この辺、文章で説明するのは難しいですね。
ま、興味のある方は、以前の記事で写真でも探して理解してください。おそらくなんらかの説明はしていると思います。

肩関節一つ取ってみても、これだけの違いがあるわけです。
それ以外でも大事な関節。上から肘、股関節、膝、足首。これらの可動は、それぞれどんな構造で補完しているのか?その性能や如何に?
なんて考えると、ワクワクするのですよ。

可動部だけではありません。
2000年ころからのMGではかなり気にしてくれている技術。合わせ目が極力目立たないようにすること。
これを取説を読みながら頭の中で組み立てていき、考えていると楽しいです。
おお~、こういう工夫か。上手いパーツ分割だ。とね。

これに、MGの進化の系譜を入れて考えると、さらに面白いです。
初期のものはMGですら置物でした。可動範囲は広いとは言えず(今と比べてってこと)、合わせ目も満載でした。
それが、どこら辺から様々な技術を盛り込むようになっていったのか?
合わせ目、可動拡大、内部フレーム再現、二重関節、土踏まず関節、腿や腕の回転軸などなど。

これは精巧なMGだけに当てはまることではありません。旧キットも同じことです。
その時代、そのシリーズでは、どんな技術が使われていたのか?これを調べるのが異様に面白いです。
それこそ、ガンプラそのものの進化を体感できます。

初代の1/144シリーズ、ベストメカシリーズでしたっけ?これはガンダムに特化した物ではなく、当時のロボットアニメのキットシリーズでした。なので、ガンダムは4番目なわけです。
可動があるといっても、ほとんど動かすことはできず、挟み込みで可動と接続の双方をを確保しているため、可動方向は1方向のみでした。お陰でポーズなどほとんど取れず、棒立ち
が精一杯でした。
関節もポリなどなく、スチロール同士の摩擦で行っていたため、本当にすぐ削れてしまって、プラプラになりました。
1/100も似たようなもので、サイズを大きくしただけでした。
ただし、2色成型になっていて、ある程度塗りわけが楽になったかな?くらいです。
まあ、中途半端な成型色がついたお陰で、かえってやりにくくなったというのも事実でしょうが。

そのあとにでたMSV、モビルスーツヴァリエーションですが、これでガンプラの進化は一気に加速します。
それまで動く方が珍しかった足首関節が標準的に動くようになったり、サイズが大きいものはポリキャップを使用して、2方向に動かせるようになりました。

次ぎ、Zシリーズ。このシリーズから大きい物だけではなく、1/144サイズでもポリがいくつかの関節には使用され、可動のスムース&寿命延長が行われました。
つまり、ポリの小型化が成されたわけです。
また、1/100Zは、ガンプラ史上初、差し替えなしの変形を実現しました。そのお陰で、MS形態のフォルムがZ史上最悪ともなったわけですが。
知らない人は、画像を探してみてください。Zは
MGしか見たことがない。ガンプラはHGUCやMGしか作ったことがないって人は、その凄まじさに驚愕すること請け合いです。
こんなものでも、当時の子供たちは喜んでいたのです。
大人たちは頑張って改修・改造をしていたのです。

次ぎ、ZZシリーズ。このシリーズ、良く分かりません。作ったのはZZとRジャジャくらいでして、しかも私のガンプラ歴史のかなり初期なので、よく覚えておりません。
Zシリーズと比べて、それほど進化はなかったような。ま、Zが終わってすぐでしたからね。
1/100ZZに関しては、3つに分離、合体、変形ができましたが。スタイル・フォルム共に悪くないですよね。

逆襲のシャアのシリーズでは、私が知っている限りでは初めて、ガンプラで接着剤不要の組み立て方法が確立されました。
といっても、今のスナップフィットとは違い、はめ込み強度が足りなかったようで、ビスで強度補完しています。
また、これまでのシリーズ同様、関節には一切ボールジョイントは使われておりません。すべて棒です。
よって、可動はニ方向にしか動きませんでした。
ただし、これまで主要な関節のみだったポリが、すべての関節に使われました。

さらに、今では当たり前になっている、腿や上腕の回転軸も存在せず(これはMGですら、標準装備になったのはここ数年)、回転は肘、膝で補っておりました。
ゆえに、可動範囲も狭かったのです。

また、ブロック・ビルドアップ・システムとかいう技術も使われ始めました。
つまり、それまで肘、膝の関節部は挟み込みで可動と接続を果たしていたわけですが、このシリーズはポリに差し込むことで可動、接続を成したわけです。
これによって、組んだあとも、体をばらして弄り易くなったわけです。

このシリーズの最後のキット、当時の(今でも充分)最高傑作、1/100νガンダムにおいて、初めてクリアパーツが使用され、ボールジョイントも装備(発明?)され、重心を補うため、腰と足首に金属パーツが使用されました。それ以外にも、腰関節を初めて導入したキットだったと思います(ボールジョイントではなくただの棒で、捻ることはできず回転しかできませんでしたが)。
さらに腰アーマーも可動化がなされました。これにより、股関節の可動が飛躍的に向上しました。
また、細かいパーツ分割により、部分塗装のみで設定色を再現できる、史上稀に見るキットでした。
ある意味、MGの直系の先祖ですね。

私の印象では、逆シャアシリーズが、前のシリーズと比べて一番進化した物だったのではないかと思います。あらゆる新技術が盛り込まれていましたから。
MSVとかの時代はリアルタイムではないし、ほとんど作っていないので分かりませんが。

その次のシリーズ。ガンダム・センチネル。
Sガンダムを主役としたこのシリーズは、逆シャアシリーズから構造上、大きな進歩はあまりないように見えます。
が、実はかなり進歩がありました。

このシリーズによって、完全なスナップフィット方式が確立されたのです。
逆シャアではビスで補っておりましたが、このシリーズはビスなどありません。
また、1/100ガンダムで培われた色分け、色プラ(逆シャアでも使われていましたが、非常に中途半端)といいますが、これも使われていて、組むだけでかなり設定色に近くなります。
ここから、ガンプラにおける色分けの追求は始まったといえるでしょう。

そのあとのシリーズとなるポケットの中の戦争シリーズでは、1/100νガンダムの技術を1/144に使用し、股関節、足首などにボールジョイントが標準装備となりました。また、クリアパーツもすべてに付けられ、目やサーベルの質感が増しました。
また、意外とちゃんとしたパーツ分割のお陰で色別けも見た目向上し、塗装が必要な箇所も減りました。
さらに、1/100ニューガンダムで使われた腰関節が、ようやく1/144スケールにも届いた感じで、ここから腰関節が標準装備になって行きます。他、腰アーマーもようやく可動化が標準となりました。

いわば、当時の技術の極地だった1/100νガンダムの技術(細かいパーツ分割を利用した色分け、ボールジョイント、関節可動の細かい再現、クリアパーツ使用など)を、小スケールにフィードバックしたのでした。
なので、関節に使われているポリなどは、あのバンダイとしては信じられない行動ですが、すべて各キット専用のものだったのです。
普通、ポリは完全流用完備で作られますからね。現在のMGなどでもこれは同じです。根本的にサイズがあっていなかろうと、バンダイさんはお構いなく突っ込んできますから。経費削減は徹底しています。
如何にして小さなスケールの各関節に、ボールジョイントを始めとした複数のポリを仕込むか。腐心した結果でしょう。
ガンプラ史上、例を見ないリッチなシリーズです。

さらにです。驚くべきことに、このシリーズのいくつかのキット(ザク改とか)は、上腕と肩を別パーツ化して、そこに回転軸をも仕込んでいたのです。
これ、あくまで模型的表現でして、実際の人間にはない可動軸なわけですが、あると飛躍的にポーズの自然さが増すんですよね。
さすがに腿に回転軸を仕込むのは厳しかったみたいで、やってません。その辺はMGからになるのかな?よく分かりません。

ポケ戦シリーズは傑作シリーズだったと、私は思います。合わせ目消しなどの基本工作をしてやれば、そのフォルムは今見ても遜色はありません。
といっても、HGUCでリメイクされているハイゴッグやズゴックE、アレックスなどは、やっぱり今の方が格好いいかな。
というのも、このシリーズの最大の欠点は、腹が短いのです。胴が詰まっている
のです。旧キットを見れば一目瞭然です。
しかし、このシリーズのケンプファー。どこに行ってもないですな。1/144スケールのケンプファーのキットはこれしかないからでしょうが、なさすぎ。あと、ザク改も。

そして、その後のシリーズとなるF91シリーズ。
このシリーズが開始した段階で、私はガンプラを卒業していたので作っていません。なので、実体験として知らないのです。
いつか、このシリーズも、気に入ったのだけ手に入れて、作ってみるつもりです。ずっと先のことになりますが。
きっと、さらなる進化を見せてくれるでしょう。

こんな感じで、少しずつガンプラは進化してきたのです。
そして、今現在の到達地点が、あの圧倒的な可動域とスタイルを両立させたクロボンさんなのです。といっても、ストライクフリーダムガンダムは、もう少し進化した可動を持っているようですが。
まあ、私が知っている範囲ではってことです。

こんな感じで、キットの取説を読みながら、そこに使われている構造、技術、そういったものを読み解いていくのが、最大の悦楽なのですよ。
うお、すげー進化だ。あれ?退化している。なんて言いながらね。

ま、そんな訳で、取説熟読が一番楽しい私の戯言でした
まる

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