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今日で、ガンダムさんの製造を開始してから丁度1ヶ月です。
が、まだまだ終わってません。
果てしなく続くかに思われた作業も、漸く終盤突入といったところです。
やる気をなくしてなんていられません。
くたびれたなんて言ってられません。
走れるところまで、走りましょう。まだ走れるうちに。
さて、今日は腹を弄る前置きとして、鳩尾ラインを弄ります。
ガンダムさんの、両胸のダクトの間にある突起というか凹みというか、そんな部分です。
鳩尾ライン。とても言い辛いし分かり辛いので、ここでは仮に中曽根君と呼びましょう。
中曽根君。作るのがとても難しいです。
というのは、今までと違い、かなり正確に長さを計って作らなければ、後で作るお腹と合わなくなりますし、上半身の真ん中なので、バランスも悪くなってしまいます。
つまり、小さな誤差の積み重ねが、決定的な違いをもたらしてしまう部分なのです。
だからこそ、中々やる気が出なかったんですよ、ここ。面倒でしょ。
仕方ないので、私は手にしたプラスチック製の20cm定規を使って、色んなところの長さをなんとなく計り続けます。
駄目だな。これじゃ、分からんよ。
そうです。中曽根君は、腹の終わり、チンコの一歩手前まで伸びているので、まずは腹の長さを決めなければ、中曽根君の長さも決められないのです。
腹のないガンダムさん。気持ち悪いですね。なんか、黒魔術的なものを感じます。
きっと、トカゲとか蛙とかを食べているのでしょう。
んなことはいいです。
上半身を手に持ちながら、下半身の上に持っていって長さを見てみます。
色々とやってみましたが、ん~、いまいちイメージがわかないなあ。腹がスカスカだから、ビシっと来ないんだよな。
よし、なんか挟んでみるか。
コアファイターを挟んでみました。
これは長すぎです。
で~もさ~。そんな都合のいい長さのものなんて、俺の部屋に転がって・・・・、アレは?
なんとなくいい感じです。微妙に短いような気もしますが、さっきのより断然マシです。
長さを計ってみます。
概ね2.6mmと。
そんな訳で、2.8mmを腹の長さとします。
そこで、中曽根君の始まりの位置から計測して・・・・、ここの長さとあっちの角度がこうで・・・・。
細かいことは省略します。
まずは中曽根君をくっつけるために、胸の変な形をした旧中曽根君を切り取ります。
そのため、今はラインを引いたところですね。
で、腹の長さと、中曽根君が一番高くなる位置とその高さを計って、図面を引きます。
それを元に、プラ板からパーツを切り出します。
正直、どうやっていいのか、かなり悩みました。
細かい部分ですから、どうやれば綺麗にできるのかとね。よく見ると、中曽根君は、沢山の面があるんですよ。これをすべてプラ板で再現しなくてはならないわけですから、かなり厄介です。
旧中曽根君も利用できないかと考えたのですが、駄目ですね。
角度が違いすぎて、中曽根君の中にある仕切り板みたいなのを入れられなくなります。
ま、詳しくは、前にアップしたMGの写真を見てください。
言っていることが分かると思います。
はい。これが中曽根君の土台となる部分です。
なんとなく、サーベルタイガーに見えますね。
立ててある大きいプラ板に若干の角度がつけなければならないのが面倒ですね。
これのお陰で、四角に組んだあとにはめ込んで、ってできなくなってます。
上から、横の2枚を蓋している奴を基準にはっ付けました。
次は、中曽根君の中身です。
こんな細かいパーツを切り出さなければいけないんですよ。
しかも、真四角ではなく、微妙に角度の付いた台形ですよ。
ちょっと削ってははめて、また削って確かめて。これの繰り返しです。
やってられません。
頑張りました。
微妙に隙間が開いてしまったのですが、そこは後ろからパテで埋めました。
あとはサフで誤魔化せないかな。ここ削るの厄介だし。
しかし、これだけ見ると、なんか長い気もしますね。ここまで作ってやり直しになると相当へこみますが、確認してみます。
いい感じじゃねえ?
下に若干の余裕をもたせておいたから、腹を作った後、長ければ削れるし。
いい感じだと信じたいです。
あちこち、パテを使ったので、硬化して強度が増すまで、これ以降の加工は控えます。
タダでさえ、強度の低い造りですからね。
じゃ、今日はこんなところで。
ついに到達しました。
悟りの境地です。解脱です。ニルバーナです、ってこれは違うな。
さて、今日は左脚を一気に作りました。一回やっていることなので、効率的作業手順も分かっており、実験も必要なく、サクサク進みます。
でついに、両足完成です。
では、ショウタイム!
・・・の前に、これを網膜に焼き付けておいて下さい。
元キットの性能の限界です。
これと・・・
これです。
絶対に、ザクより弱いですよね。これを見る限りでは。
だって、下半身が動かないんですよ?
では、準備はいいですか?本番いきますよ~。
はい、どーん。
奇跡の可動拡大です。メリィコゥです。これがしたかったんですよ。脚を八の字に開いて、ビシっと素立ちポーズ。
いや~、格好よくなりましたよね。明らかに。
このポーズを取れるようになるまで、私、このキットのガンダムさんは下半身が細く貧弱だと感じておりました。ちょっとラインを変えてやらんといかんかなあと。
膝の突起をもっと大きくして、ふくらはぎが長い気がしたので短くして、これも出っ張りを大きくすると、そんな感じで。
何のなんの。そうではなく、問題は立ち方にあったのですな。
内股の人が情けなく見えるように、あの脚の角度などに問題があったのです。
元のパーツでも充分、格好いいです。
ただ、腿の付け根がちょっと見えているのがいかんですねえ。
元の長さが微妙すぎるんですよね。ポリをつけると、腰アーマーからはみ出して、付け根が見えてしまうし。
かといって、埋め込むと、長さが足りない。ザケンナ!!
ちょっとだけ、前傾姿勢。表情があるってのは素晴らしいですな。
無表情な奴が、それだけでムカつくように、可動しないガンダムなんて、鉄屑ならぬプラ屑ですから。
でかいことは良いことであるように、動くことも良いことです。
片膝立ちっぽいポーズまでできるようになりました。膝の可動範囲が足りないため、ここまでが限界ですが、いいんです!どうせ、こんなポーズは撮影の時しかしませんから。
あ、ちなみに、足首可動に干渉する、足首アーマーの上部と、かかとの上部を少し削って、可動範囲を気持ち増しています。お陰で、隙間は広がりましたが。
片膝立ち。最初は無理かなって思ってましたが、足裏面積が広いため、なんとかバランスが取れました。
ま、上半身が付いたあとも、バランスが取れるかはわかりませんが。
これを再現するために、わざわざ腰アーマーの可動化までしたんですから。
じゃなきゃ、腰のアーマーなんて面倒臭いもの弄りませんよ。
腰アーマーが動かないと、腿を90度上に曲げることなんてできませんもんね。
横から、片膝。
足首の隙間が気になりますが、いいんです。面倒臭いから。方法論は分かりますけどね。
いつだって、方程式と気持ちは一致しないのです。
そして、また歩き始めます。
まだ終わったわけじゃないのでね。浮かれてばかりもいられないのですよ。
次はついに腹です。
これさえやっつければ、上半身と合体できるのです。
ついに長かった改修工事も終盤を迎えることになるのです。
ただ、ちょっと難しそうなんですねえ。
長さとか幅とか可動確保とか。
しかも、構造上、腹を作る前に、胸の真ん中にある突起の形状を弄ってあげないといけないみたいなんです。これ、最初から考え続けてるんですが、どうすればいいのかよく分からないんですよ。
完全に切り取ってしまって、スクラッチした方がいいのかな?形状変更だけで追いつけないくらい、元の形がおかしいですから。
すると、どこで切るといいのか?
切り取るとすると、後の接着で隙間ができないようにするにはどうすればいいのか?
形は自前でやるのか、それともオリジナルを目標にするのか?
どうなることやら。
まあ、まずは胸、次に腹を頑張ってみます。
じゃ、今日はこの辺で。
また。
最初に言っておきます。
以下に書かれていることは、結構極端な内容ですが、今のところ(あくまで今現在の思考。変わることも平気である)、真実だと思っております。
かといって、これによって善悪を言うわけでもありません。
こういうもんだということです。朝、誰かに会ったら「おはよう」というくらいのもんです。
これによって誰か、何かを非難、否定するつもりもないです。「こういうもの」だからです。
金持ちの家に生まれた奴を「ずるい奴だ」と非難する人がいないように、私は以下の考えで誰かを否定するつもりもありません。
勘違いはしないよう。
では本文開始。
ついに、裁定がでた。結果は、
「ディープの凱旋門賞3着。薬物違反で失格」
やっぱりなあと思った。
フェアネスという言葉ある。これを意識している民族、というか国家は非常に少ない。
日本人はかなりフェアな国民だと思う。一部、戦前あたりからヤクザとかの興行として使われてきたボクシングなどは胡散臭い部分がまだ残るが、それ以外は本当にフェアである。
国産に勝って欲しいと思っても、海外の選手などがいい試合をすれば、ちゃんと褒める。
それが日本人だ。
勿論、例外はあるが、そんなことを言い出したら、個々のデータの羅列だけになり、何もいえなくなるのでオミット。
これの根本は、日本人の甘ったれ体質にも原因があるように思える。
甘ったれ体質とは、外国人に「日本をどう思いますか?」など聞いて、褒めてもらいたがること。
海外から日本はどう思われているかを異様に気にして、存在などしない「世界基準」にあわせようとしたがること。
つまり、自分勝手に生きていけるほど強さがなく、色々と指示してもらわないと動きが取れない子供と同じである。
だから、甘ったれなのだ。
つまり、海外の人間を、なぜか日本人より上に見ているのだ。だから、負かされても悔しいとは思わない。結果的に、フェアになるってことかもしれない。
しかし、やはりフェアであることはいいことだ。
一方、白人国家は違う。(最も、白人だけでなく、東南アジアではもっとあからさまに行われているが。ムエタイとかね)
はっきり言えば、自分達のことしか考えていない。
卑怯な手を使っても勝てばいい。
これが、白人の根本的な思考だ。
殺し合い、生き死にの場面、現実的にはビジネスなどなら、これは真実だ。だが、スポーツとなってくると、この価値観は間違っていると断言できる。
スキージャンプで、かつて日本が日の丸飛行隊と呼ばれ、異常に強い時代があった。この時、自分達の立場を良くする為に白人たちはどうしたか?
練習をしたのではない。ルールを変えてしまったのだ。自分達に都合がいいように。
「スキーの長さは、身長プラス~cmまで」という風にだ。
これでは、背の低い日本人は、高い白人に対して大きく不利になる。なぜなら、絶対値として翼が短くなるのだから。
こういうことをしても勝てば、それで気分がいいのが白人だ。日本人なら、おそらくしないだろう。仮にしても、必ず反対がでて、頓挫する筈だ。
競馬の世界でも同じである。
海外に遠征すると、日本の馬は、事前の話と違って、環境の悪い馬房に入れられたりするらしい。
さらに、事前に注文していた、ちゃんとした藁(馬の食料なり寝床だが)が届けられず、劣悪な代物が送られてくる。
満足に調教もさせてもらえない場合もあるようだ。
レースに向かえば、抽選である筈のゲートがなぜかいつも大外で、スタートから不利を受けたりする。
つまり、レースで打ち勝つのではなく、レース前から勝てないように仕向けていくのだ。
こういった嫌がらせをされるのは、意外と日本人が多いみたいだ。よく分からないが、同じ白人同士、あまりやりあわないということだろうか?でも、ドバイに遠征しても、日本は扱いが悪いらしいんだね。
まあ、伝わってこないだけの可能性が大きいが。
いずれにしても、これが白人の哲学だ。大昔の十字軍の頃から変わっていない。
そして、ディープである。
色々といわれているが、レース直前にセキがでて、これを沈めるために使った治療薬が薬物検査に引っかかったというのだ。
あり得ない事実だ。すでに充分胡散臭い内容である。
むこうでは、海外の獣医師は治療できないため、フランスの獣医師しか治療できないのだ。ならば、明らかにその獣医師に落ち度がある。
というか、レース直前に、なぜわざわざ違法とされている薬物を治療に使ったのか?
これが根本的におかしい。
治療の際、ディープが暴れて、薬が寝藁に飛び散った。薬が付いた寝藁をディープが食べて、体内に入った可能性があるとか言っている。
これも、フランス獣医師に故意がなかったとするための捏造としか思えない。
動物は、基本的に薬物を嫌うものだ。匂い、味、そういったもので。それが撒き散らされた寝藁を大量に食べるだろうか?後の尿検査に引っかかるほど。
実際にどういうものか知らないで言っているので、説得力はまったくないのだが、ちょっと考えるとおかしいのが分かる。
あくまで藁に飛び散ったのだ。それだけで、かなり濃度が薄くなってしまう。それを食べて尿検査に引っかかるってのは、相当な量の寝藁を食べなければ不可能なのではないか?
寝藁はあくまで布団。食料ではないのだ。馬は基本的に草を食んでいるものだが、定期的に来る食料(馬好みの味付けになっているらしい)以外に、そんなに大量に食べるものだろうか?
アラが沢山見えて、どうにも胡散臭い調査結果だ。
フランスでは、海外での資格を持つ獣医師は治療ができない。よって、フランス国内の資格を持つ獣医師が実際には行うか指示する。
これに従った結果、失格。
はあ?というしかない。
これを見て、向こうの違反基準をしっかり勉強しておかなかった当事者も悪いという人もいる。
これも正しい。
が、日本とは世界でも稀に見る、相互信頼の高い国家なのだ。
物を買うとき、必ずといっていいほど、値札が付いている。これ、かなり驚異的なことだ。
さらに、その値札はふっかけていることはまずない。妥当な値段である。どこに行っても、大差のない値段なのだ。それをみんな知っているし、信頼しているのだ。企業も、その信頼を裏切るようなことはまずしない。
だから、みんなシステマティックに買い物ができるのだ。
どこに、こんなに他人を信用する国家があるだろうか。
これはみんな価値観の違いから生まれたことである。
生まれてからここまで、この価値観の中で育ってきたから、こうした行動をしている。
それだけで、そこに悪意というべきものはないかもしれない。
が、相互信頼が基本となっている日本人としては、やはり卑怯といった印象を拭えない。
お互い、価値観が違うのは仕方のないことで、どっちが正しいとかいう議論は無意味だ。
だから、価値観が違うことをお互いちゃんと認識して、大人としての歩み寄りをしなくてはなと思うのである。
ま、ディープが現時点で世界最強であることは間違いないんだけど。
歴代での評価ってのは、競馬界では不可能だしね。ルドルフとディープ、どっちが強いか?そんな比較無理だよ。ほとんどすべてのことが変わっているんだから。強いて言えば、ディープかなとは思うけど。
フランスがなんと言おうと、私の中でのディープ君の光は褪せません。
実際に、あの奇跡の三冠の瞬間を見ているのだから。
デビュー前から注目していた馬。それから2年。最大でも、あと2戦しか走らないディープ。キッチリ網膜に焼き付けておこう。
凱旋門賞、結果はどうあれ、関係者のみんなはよくやったぞ。
ちょっと出遅れですが、PS3が発売されましたね。
PS3の全貌が見えてきたときから、「ソニーは次世代ゲーム機戦争には敗北する」と予言してきた私ですが、予想通りになりそうですね。
PCとかに疎い私は、スペックだの細かいことはサッパリ分かりませんが、一つだけいえることがあります。
「ゲーム機に特化しないゲーム機は、今まで生き残ったことがない」
ってか、みんな既に分かっていることですね。セガの二の舞かな、ソニー。
さて、今日は股関節♀を作ります。
いまいち強度不安をぬぐいきれない方法しか思いつかなくて煮詰まっていたのですが、楽観というか、ある意味、諦めの境地に達し、「もういいや、やってみよう」という心境になりました。
で、恐ろしくありきたりで、誰でも思いつく方法で♀をくっつけることにします。
まずは腿の付け根を確認しておきましょう。
変な出っ張りがありますね。これ、腰にベタっとくっつけるとき、ずれないように作られた突起です。
今回の計画には邪魔なので、削り取ってあげましょう。
はい。綺麗にできました。
デザインナイフでショリショリと、そして棒ヤスリでゴリゴリといきました。
つるっぺたになったところで、♀を仕込む田中君を作ります。
サクッと。足首の同じで動く必要はないので、気楽に作ります。
色々と試した結果、腰アーマーの基部と田中君が、股関節可動時に干渉することが分かりました。
なので、少しでも厚みを減らそうと、上にプラバンの天井を接着せず、パテで補強です。
さらに、角の所が、まだ干渉するので、削ります。タダでさえ足りないと思われる強度がさらに・・・。
ホント、クリアランスがギリギリですよ。
で、くっ付けてみました。
一体、こんないい加減な工作で、負荷に耐えられるだろうか?
分かりませんが、思いついたのがこれしかないのです。小学生並みですかそうですか。
本当は、腿の中にポリを埋め込む形にしたかったんですよね。そうすれば、3方向から元のパーツが補強してくれるわけですから、強度は増します。
が、長さが微妙に足りないので致し方ありませんね。
今回は強度に不安があるので、パテがちゃんと乾くまでジッと待ちます。
耐えます。早く確認したい気持ちを抑えて。
丸一日後。
硬化しました。
可動確認、いってみよう!!
んん?おお!ぬおりゃ!!動く!動くぞぉぉぉををおおぉーぉおおー!!!
取り乱しました。非常に嬉しかったので。
意味もなく、片脚だけ動かして遊んでいました。だって、元キットの脚は何もできなかったんですよ?股関節も足首の固定で。
それが、こんなに動くようになったんです。嬉しいじゃないですか。
表情が付くだけで、格好よさは3倍アップです。
一人、眺めてはニンマリ。危険です。
色々と動かしてみたんですが、意外と強度も大丈夫そうです。ポリパーツも保持力がありましたしね。
しばらくしたらヘタってくるのかもしれませんが・・・。
あ、そうそう。
片脚立ちができました。
旧キットガンダムさんの足裏の面積は広いので、楽勝です。だからといって、どうということもありませんが。
からっ傘のようですね。上につける傘の部分をスクラッチしてみようかと、本気で考えました。が、0.3秒後に、面倒臭くなりました。
ってなわけで、分かり易い工作の成果にご満悦の私でした。
今日はこんなところで。
では。
期間:11/1~11/11
点数:6点
寸評:入門書にはならない。分かる人だけ分かればいいってことかね?
塩野七生の「ローマ人~」に影響され、いろいろと当時の地中海の歴史物を漁りはじめて早半年。
ふと本屋で見つけた本のタイトルは、そのものズバリ「ハンニバル」。
当然、手にとって中を確認するのは、漢の務めです。
出版社は講談社学術文庫。古事記と同じですな。偶然です。
見出しを見てみると、どうやら学者の先生が書いたもののようです。学者の本って苦手なんですよねえ。
文章が持って回った修辞とか、ウダウダと学説をこねくり回していることが多いので。まあ、ちゃんと歴史を学ぶには、学説ってのは避けて通れないわけですが。
試しに買いました。
読後の感想は、学者が書いたものにしては読み易いが(ウダウダと五月蝿くない)、この人の文章の書き方(内容ではなく、文章そのもの)が分かりづらい部分があるんですね。慣れれば問題ないんですが。
さらに厄介なのは、読者は既にハンニバルに関する知識を持っていることが前提で書かれている気がするんですよねえ。あとがきを見ると、「一般の読者を対象とした」とあるんですが、明らかに説明が足りないんですよ。
一つの出来事が別の出来事を生むのが歴史ですが、その経過が歴史の面白味なわけです。なんでこうなったの?っていうね。
この経過をほとんど書いていない。学者という立場からすると、経過などは所詮、推測の域をでないものだから、事実を求める我々には必要のないものだ、ということになるのかもしれませんが、別に私は歴史を学習するために歴史を読むのわけではなく、単に面白いから読むのですよ。
極論を言えば、一人の人物の生まれてから死ぬまでの一生を、歴史的事実を整然と並べたものより、エピソードに終始している読み物の方が愉しいわけです。
いわば、勝手に想像していることが愉しいというわけです。
例えば、バスティーユ監獄占拠って事件、世界史でお勉強しましたね?
あんとき、ルイ16世は、その日の日記で、「本日は何もなかった」と書いているらしいんです。ルイ16世っては、有名なマリーアントワネットの旦那ですな。後にギロチンで処刑されてしまった人です。
これを見て学者さんはいうわけです。こいつは政治に何の関心もなかった。やっぱり糞野郎だ。とね。
しかし、私はそうは思わないのです。ただの個人的な解釈ですが、「本日やばいことがあった」と書くこと、つまり、当たり前のことを書くのが嫌だったのではないか。そして、この日記を見た後世の人に、「やつはやっぱりびびってたんだ」と思われるのが嫌だったんではないか。みんなが予想しているようなことを書いてやるもんか、という反骨がそこにあったのではないか。
そう思いたいのです。こういうくだらんことにこだわる事こそ、漢道なのです。
そう思える余地があるからこそ、こういうエピソードに私は惹かれるわけです。
第二次ポエニ戦争が終わるまで、この「分かる人だけついてきて」って姿勢が顕著です。
カンネ(カンナエ)の戦い。この、有史以来ほとんど初にして最も完璧な包囲戦と言われたこの戦いしか、図が載っていないのです。
他の戦いは図がない上に、文章も端折って書いているため、いまいちどんな風に流れたのか分からないのです。
ほかにも、地中海全域の地図が巻頭にあるくらいで、戦術的に行動していることを分からせてくれる拡大図がないのです。様々な地名が出てきますが、位置関係が分からないまま、話が進んでいってしまいます。
読み終わったあとなら理解できます。著者は、ポエニ戦争について書きたかったのではなく、ポエニ戦争によって稀代の将軍という像が定着してしまったが、実はハンニバルは外交的、税制的、内政的にも、つまり総合すると、政治家としても傑出した人物であったということを書きたかったわけです。むしろ、将軍ではなく、政治家であったと、著者は言いたかったのでしょう。
だからこそ、書きたいことではないが、そのハンニバルを書く上で省略できないポエニ戦争についてはすっ飛ばしていったのでしょう。
ポエニ戦争後、カルタゴを立て直した政治家という面に重点を置いていたのでしょう。その部分は、面白かったです。
実際、後半部分は面白かったです。これがあるから6点です。なければ4点です。
この本の参考文献とか欄にあった「ポエニ戦争」って本。外国の学者が書いた論文調の本ですが、これ、前に読んだことがあるんですよ。
ハンニバルに特化するのではなく、第一次、第二次、第三次ポエニ戦争を細かく書いているわけです。
あちこちで良書と言われてますが、私はそうだとは思えません。
何より分かり辛いのです。
元の文章が悪いのか、訳者が悪いのか知りませんが、文章ごとの繋がりがよく分からないことが多いです。正直、ぶった切られていると言ってもいいと思います。
歴史の流れはきちんと書かれているし、冷静な叙述という意味では、とての優れた内容ですが、面白みという意味では、データの羅列に萌え萌えできる学者さん以外には厳しいでしょう。
あまりにも文章が下手ですから。
それに比べれば、こっちはマシですが、やはり所詮は学者ということでしょうか。
そろそろ、学者も気付いていい頃だと思います。文章は、物書きに任せた方がいいと。共著という形にして、物書きに書いてもらっては如何ですか?
ま、この本、30年くらい前に出版されたものなんですけどね。
悪口ばかりですが、内容的には悪くありません。まったく知らなくても流れはつかめるし、ある程度知識があれば、面白く感じられるでしょう。
特に、後半部分は、私も面白かったですし。
でも、血は滾らなかったので、そこそこという評価に落ち着きました。
余談ですが、上の画像。数あるハンニバル像の中で、どうしても、これがよかった。
この顔が好きなのです。哀しげでいながら、決然とした顔つき。甘さが微塵も見られない。
いい顔です。
もう少し大きく、画質がいいのが欲しかったのですが、ありませんでした。
実際には、これが本当にハンニバル像か怪しいという説もありますが、関係ないです。2000年以上昔の人ですからね。
肝心なのは、この顔がハンニバルに相応しく、私は、この顔を見ながらハンニバルに思いをはせてきたってことです。
でも、この画像。グーグルでもグーでも中々見つからず、アンソニー・ホプキンスばかりでてくる。
仕方なく海外のサイトで検索したら、サクッとでてきた。
なんだ、アメリカ人より馬鹿か、日本人は。
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