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その女の子が信じてくれたなら、ドロボウは空を飛ぶことだって、湖の水を飲み干すことだってできるのに
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私はキットを買うごとに、毎回家計簿に付けています。
特に意味はないのですが、こうしておくとなんとなく面白いからです。

2008年8月のキット関連支出表

クラースナヤ:¥~円
塗料各種:¥~円

そんな感じに書いてます。
んで、年間の模型関連の支出などを見て、
「うお!知らん間にこんなに使っていたのか?結構我慢したつもりだったのになあ」
とか言って楽しんでいるわけです。

愉しいのはそれだけではありません。

このキット。勝手から随分経つけど、一体いつ買ったんだっけ?そういう積みキットって、ありますよね?模型野郎なら。
こういうことがあっても、すぐさま解決です。
「あ、そうだ。これは2006年11月に、ヨドバシカメラで運命の出会いに衝動買いしてしまったキットだった。ほほう、~円で買ったのか。割と普通の値段で買ってるな」
などと、その当時の思い出も蘇るわけです。

それだけではなく、阿呆だったなあと思うこともあります。
「なんで、俺はポケ戦のキットをこんなに持ってるんだっけ?」
と、いつ買ったのか調べます。ま、調べるまでもなく、記憶の中には残っているんですけどね。まあ、これは例です。
すると、
「ああ、そうだ。とあるネットショップでポケ戦旧キット群がほとんど半額で売られていて、第一次現役時代の最後に作ったシリーズだからというノスタルジックな理由で、纏め買いしてしまったんだ」
なんて、思い出すわけです。

阿呆ですね。
そんな纏め買いをしなければ、もっと色んなキットを買うお金があったかもしれないのに。
私のように、キットから離れていた時間が長いほど、そして漫画やアニメにまったく拘りや思い入れがない人ほど、嗜好の変化って大きいものです。
元々、模型として、立体物として、デザインとして、好みであるか。格好よく感じるか。美しく感じるか。
それだけですから、昔欲しくて買ったキットでも、今になって振り返ってみると、なぜこのキットを欲しいと思ったのか分からなかったりするものです。

いえいえいえ、要らないというわけでは全然なくて、今でも食指が動くものではありますけど、実際買うかどうかは別って程度のモチベってことですよ。
積みが増えたから、そう感じるのかもしれませんけどね。積みがなければ買っているんでしょう。

この間また再販されたMSVにしたって、マクロス関連のキットにしたって、ザブングルのキットにしたって・・・。欲しいけど買えない!!
かなり欲しいキットですら我慢しているのが現状ですから(HGUCサザビー・ν、1/100ティエレン・フラッグなど)、要するに金と立ちはだかる積みキットの壁が、私の足を引っ張っているだけなんでしょうね。

そんな訳で、自分でも一体どうやって作ったんだ?ってくらいの在庫を抱えています。
ここで、ふと思ったんですよ。

これってさ、一つの財産じゃねえ?

いや、まあ。模型野郎にとってだけなのは分かってますよ?模型に興味のない人からすれば、ただの邪魔な箱でしかないですからね。
けど、それでも需要があるから供給があるわけで、供給があるから私もキットを入手できるわけです。
つまり、その気になれば、お金に代えることもできるんですよね。
そこで思うわけです。

これが、俺の遺産だ!!

随分とみみっちい遺産です。それなら銀行にある貯金をくれよと、私の家族は思うでしょう。
が、私の人となりを考えるに付け、ウン10個もあるキット。ウン百冊もある本。ウン百枚もあるCD。それらこそが、私が生きた証ではないかと。
銀行の金なぞ、私の存在した証にはなり得ないではないかと。

実際、私はこれらのキットを買うために、一体幾らの金を使ったことでしょう。
超絶にお高いFSSガレキなどもそこそこ含まれていて、それらが使ったお金の半分近くを占めてますけど、ウン10万単位の金を使ってますよ。
自分でもびっくりするくらいの投資をしてます。

それらをヤフオクなどで売ったら、私が投資したお金の最低半分は帰ってくるだろうと。
上手くすれば、そのまま戻ってくるかもしれません。ガレキなどは、下手すればプレミアが付く場合がありますし、絶版キットも幾つか持ってますからね。

銀行の貯金の方が扱い易い財産ではあるでしょうが、私の人となりを忍ばせるキットと本とCDこそが、私の残した遺産ではないか。
そんな妄想をしていたわけですよ。キット支出表を見て。

ま、物凄く下らないお話ですけど、意外と的を射ているのではないかな?
模型をやっている人なら、ある程度は分かってもらえるでしょう。
私が在庫の一覧を載せたら、きっとあなたが欲しがっているキットだって含まれているでしょう。
「作らないなら、俺にくれ!」
そう思うかもしれないのです。

私は作るために買っているのです。コレクションのためではないです。それは変わりません。
が、手が遅い上に、変に流れに拘って作る癖があるので、なかなか前に進みません。
その間に私がくたばったら、家族だってキットの処分に困るでしょう。

遺書に書いておきましょうかね?
「俺が死んで10年したら、これらをヤフオクで出品しろ。そうすれば、俺が投資した額以上の金が返ってくるから」

いや本当は、誰かに私の意志を継いで作って欲しいんですけどね。
キットは作るためのものですから。


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