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さて、今回の雑文は、題名にあるとおり、

「一体、模型の何が楽しいのか?」

これをちょっと考察していきます。昨今の世情では、
「模型なんて面倒臭いだけじゃないか。色々と問題のある材料を扱うし。完成品の方が健康的だし、素人が作るよりもよっぽど増しなデキだよ」
こういう人も多いかと思います。
が、それに反論するわけです。
そうではないのだ。模型とは、そんなみみっちい価値観でやるものではないのだと。

勿論、甚だ科学的とは言いがたく、思い込みと個人的趣向で語ってしまうことになるでしょうが、実践的体験から書いているので、模型野郎なら、「うんうん、そうだよね」って部分が必ずあると思います。
そんな訳で、広い心で、時にはニヤニヤしながら読んでいただけたら幸いです。

いつもの様に、文字地獄となるので、ここで引き返すのが賢明です。

さて、模型の何が楽しいのか?
模型には色んな形がありますが、とりあえず一般的なプラキットで考えたいと思います。

一応、プラキットの工程をまとめてみましょう。人によってこれは変わると思うのですが、基本は同じです。
あと、話の整合性という意味で、「こういった前提のもと、話を進めるよ」ってことです。

で、工程。

1:説明書熟読
2:組み立て
3:バランスチェック
4:改造・改修
5:合わせ目消しなどの基本工作
6:整面作業
7:サフによるチェック
8:塗装その他

こんな感じになるかと思います。

さて、本題開始。


プラキットは一般的に説明書熟読から入ります。
少なくとも、私はそうです。以前どこかで書いたように、この説明書熟読が大好きです。
ここで構造やパーツ割をイメージしながら、頭の中で作っていって、どの辺が優れた構造か、どういう順番で作った方がいいのかを考えていきます。
さらに、完成写真をみてどこがどういいのか?どこを直した方がいいのか?
そんなことを考えているのが楽しいのです。
だって、自分ができるできない、さらに根性のあるなしに関わらず、脳内モデリングは可能性無限大ですからね。
頭の中では、プロ級の腕前ですから。

が、それだけでは飽きてしまうので、物理的に作って行くことになります。
私の様に一体ずつ作っていくことを旨としている人間だと、そして在庫が多い人間だと、実際に弄れるのは作りたいキットのほんの一部だけになります。
なので、残りのほとんどは脳内モデリングで楽しむことになります。運命の邂逅を果たすまで。

さて、組み立てフェイズですが、これをつまらないという人はいないでしょう。
おそらく、物理的作業の中で一、番楽しいフェイズではないでしょうか?
ほとんど何も考えず、説明書の指示通りに組んでいくだけ。気楽なこと夥しいです。

まずもって確実にいえることは、この組み立てフェイズに模型の醍醐味「その1」があることは間違いありません。
ガレキとは違い、プラキットの場合、昔のパーツが極端に少なかったものは別としても、大体形ができておりません。
最近の徹底的に作りこまれたキットはパーツが多く、説明書をみても、どこを作っているのか分からなかったりしますし。
そういう、形を成していない部品が、徐々に形状をなしていく様。
パズルを組み合わせ、最終的に「こうなるのか!」
これが模型制作の最初の醍醐味「その1」。
ファーストインパクトです。

組み立てが終わったら、その後は人によって工程が分岐します。
無塗装派の人は、そのままシールなどを貼って終了。
部分塗装派の人は、細かいところを塗って~終了。
全塗装派の人は、ここからが勝負となります。

無塗装派・部分塗装派の人は、悦びはファーストインパクトのみしかなく、模型の楽しさを極限まで味わえないわけですが、その分後の作業フェイズのストレスを感じなくてもいいので、それはそれで賢い選択だと思います。
楽しさとストレスの兼ね合いは、自分で決めればいいことです。
正解なんてありません。すべきことなんて決まってません。それが模型です。

さて、全塗装派の人はここからが勝負なわけです。
組み立てはオードブルです。メインディッシュはこれから。

ここで、全塗装派の中でも分岐が出てきます。
改造をする人としない人。
これはキットにも依りますね。改造しなくては格好悪かったり、全体的にいいのに一部悪いところがあるとどうしても弄りたくなる。
よって、デキのいいキットを作っている場合や、改造はしない人なら、このフェイズを飛ばしますね。

さて、改造・改修フェイズです。
改造をする人は、ここからが本番開始といってもいいでしょう。
バランスチェックから入るわけですが、ここにはセンスが関係してきます。
私の様にセンスのない人間は、基本的な箇所しか気がつきませんから。

で、このバランスチェックで洗い出した欠点。そのすべてを直す人は稀でしょう。
根性なしの私なぞは、気が付いた箇所の中でできそうな箇所、それも比較的簡単な部分しかやりません。

つまり、この改造フェイズは人によってやることが一番変わる工程だと思います。
やる気になれば、工程の中で一番重たいフェイズになります。
そのまま泥沼に嵌り、放置なんてこともザラのようです。

この改造フェイズは相当に厄介です。細かくて面倒臭い作業を延々と続けなくてはならないのですから。
が、悦びもあります。ここから悦びは抽象的になってしまうのですが、「イメージの具現化に成功した時の悦び」。
これが改造フェイズにおける最大の悦びです。
確かに面倒臭いです。改造は。
が、どうせ作って飾るのなら、格好いい方がいいじゃねえか?っていう価値観でなされるものですな。

一個一個のパーツを直していく段階でも悦びはありますしね。
腿が長いなあ。よし、短くしよう。修正→見ろ!こんなに印象がよくなった!!
とまあ、そんな感じです。
面倒臭い個々の修正を繰り返し、イメージに近いものを作れたときは、本当に嬉しいものです。

さらに楽しいのは、「こうしたいが、どうやればいいだろうか?」「どういう構造にすれば、効果的かつ簡単だろうか?」。
こんなことを工夫するのも楽しいのです。
実作業そのものは確かに面倒ですが、工夫している最中。そして工夫が見事に嵌った場合は、本当に嬉しいですし。

例として言えば、セレナさんのポリ移植とか。
これはやりたくてやったわけではないですけど。
サザビーさんなんかでも、腰周りの改造は楽しかったです。結果的にかなり立体感も出てご満悦の私。

こういうものが模型制作における醍醐味「その2」。
セカンドインパクトですな。

最近のキットはデキがいいので、改造をする必要もなくなりました。
なので、その分のストレスは軽減されています。悦びの量は減ったのかもしれませんが、元々デキがいいってのはそれ以上の見返りがあります。
素人には、できることに限界がありますからね。メーカーサイドでキチンと作ってくれているなら、その方が格好いいです。本当に上手い人でない限り。
なので、セカンドインパクトは相手次第です。好きなデザインなら喜びも大きくなりますが、そうでもない場合はそれほどの嬉しさを感じませんね。
改造などしなくていいのなら、それが正解なのですから。

根本的に、ここで労力を費やすくらいなら、塗装に回した方がいいと思ってます。私は。
改造は、私にとって「必要に迫られるからやる」ことでしかないですから。
利きガンダムもできませんし。

その後、整面作業に移るわけですが、これが面倒臭い。
作業フェイズの中で、一番心を折る段階ではないでしょうか?
特に改造などをしていると、この作業が格段に面倒になります。

多くの人がその後の作業負担を思い、仮組みまで、進んでも改造までで、整面作業の前で放置してしまうって気持ちは痛いほど分かります。

模型制作において、この整面作業だけは悦びがないと思います。
正確に言うと、悦びはあるのですが、分かり辛いのですな。
結構いい加減にやったのと、徹底的に拘ったのを比べても、よ~く見ないと分からないですから。
パッと見はほとんど同じです。よく観察して初めて分かる類の悦びです。
なので、悦びは薄いと。

んで、サーフェイサーです。
これはさっきのセカンドインパクトをより明確に、より大きくしたものです。
プラ板やパテなどで表面の色がチグハグだったものが一色になったことにより、改造箇所にも一体感がでるわけです。
これによって、完成状態がイメージしやすくなり、セカンドインパクトを明確に感じられると。

で、最終工程。塗装です。
ここは今までの改造や整面で溜まった鬱憤を晴らす、最も楽しいフェイズです。
作ったものが表情を持ち始め。やがて・・・。

これこそが、アルティメットインパクトです。まさに究極。

塗装に関しても、改造と同じで人によって拘りが違います。が、やはり悦びの質は同じですね。
ここまできて、漸く大きなカタルシスを得られるわけです。

それに、塗装というものは恐ろしいまでに複雑で深いものです。
プロが作ったものを見てみましょう。「これ、どうやったの?」そういう作例が沢山ありますね。
塗装というものは、改造以上に知識やノウハウの蓄積が物をいい、さらには発想と知恵によってなされるものですね。
習い性なんてものでやっていては、面白いものはできない。それが塗装の極意だと思います。

最終的に、模型の楽しみは「工夫」
。これにあるのではないでしょうか?
組み立ては普通に終わりますけど、その段階で「どうすれば、後の作業負担を軽くできるだろうか?」。そう考えながら作っていくこと。
改造にしても、「どうすれば、より効果的に格好よく見せ、さらには簡単で剛性の高い構造にできるだろうか?」。これを考える。
そして、塗装です。「どうすれば、頭の中のイメージに近いものを再現できるだろうか?」「どうすれば、面白い質感を得られるのか?」。
こういったことを常に考え、それに向かって工夫していく。
それが、模型の本質的な楽しみなのだと思います。

そういった、数々の工夫の結果、完成されたキットを眺める時・・・。
それが、カタルシスの価値ですね。
一つ一つの工程でもそれなりに悦びがありました。
が、最終的に出来上がった時の喜びには到底かないませんね。

模型制作ってものは、本当に登山と似ていると思います。
いろいろな場所で綺麗な景色を楽しみながら登る。楽しむといっても登坂ですから、基本的にしんどいのです。
が、山頂まで来た時の達成感たるや。

模型を作り続ける人ってのは、そのカタルシスが病みつきになっているからこそ、止められないのでしょう。
私の場合、一個のキットに一月もかけて作るわけですから、余計に。

段階を踏んで、その工程特有のストレスと悦び。
その上にある工夫と達成感。

それが模型の楽しみなのでしょうね。

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